おどろおどろしいタイトルで申し訳ありません。

わたしの住む市の隣、小平市の住民投票が問題になっています。

50年前に都がたてた計画道路をめぐってその計画の是非を問うものだそうです。

50年前といえばまさにモータリゼーション勃興期。多摩地区は東西に鉄道は何本も走っていますが、南北はバス、クルマの道路が結んでいます。

これは鎌倉時代の名残で、関東各所から鎌倉を結ぶ道は、俗に鎌倉街道と呼ばれ、大軍が一度に通れないように細く、しかも途中で川があるためかならず分断されるようになっています。

ちなみに鎌倉街道とは、鎌倉にむかう道の総称です。

さすがは天然の要害鎌倉です。新田義貞は群馬の生品神社で旗揚げし、鎌倉を目指しました。しかしこの細い街道と川に阻まれ攻めあぐねましたが、川越、小手指、久米川、分倍河原の防衛ラインを突破し、ついに攻め落とします。

話がそれました。

今回の計画道路は東村山から府中を結ぶまさに鎌倉街道のひとつ。そのうちの小平を通る部分について住民が住民投票を呼びかけたという珍しい事例だそうです。

この住民投票はいろいろな点で注目されています。

そのひとつが住民投票率が50%を越えないと開票もされないそうです。つまり是非がわからないということ。

しかもこのハードルが最近可決された市の条例だそうです。

つまり予防線ということです。

これはなんとも解せませんね。

ちなみに前回の市長選は投票率37%。
住民投票に50%というハードルを課すのはおかしいのではないかという疑問も。

まあ、あまり政治的なプロセスについては話題にしたくないのですが、

私の論点はふたつ。

まず、50年前の計画をいまの時代に合わせることなく遂行することがまず、大変無能極まりないということ。

住民の意向や時代に関係なく計画を進める人を官僚といいます。

もともとは、中国において水害を防ぐために地域から税金をとり労役を課したことに淵源があります。

忙しい農作業の合間に労役をさせるなんてと、住民は猛反発しましたが、結果水害に悩むことはなくなりました。

官僚は本来、このような役割を持っていましたが、

いまはどうでしょう?

これから少子高齢社会でむしろクルマは少なくなっていく時代に、道路を創る発想。

新たに住民を退かせて土地収用、どんな費用対効果を計算しているのでしょうか?

震災用の緊急道路確保と考えてもすこし無理があるような気がします。

もうひとつ、私がもっとも首を傾げざるを得ないのは、

玉川上水に橋をかけて、周辺の緑地を分断する計画。

玉川上水は江戸時代、青梅から江戸城まで引いた上水道。当時世界屈指の技術が使用されていました。

玉川上水は武蔵野の面影を遺す風景として知られていますが、どんどん宅地開発と道路で消えていきました。

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これは支水の千川上水ですが、私は勝手に南仏ミディ運河の風景にも似せて、大好きな散歩道です。

この時代にあって、まだまだクルマを最優先する都官僚のトンチンカンにはまったく呆れるしかないのですが、

この住民投票の行方、どんなものになるのか注目してます。









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