株価がすごいですねえ。
さすがはアベノミクス!といいたいところですが・・
まあ一般人を釣り上げたところで、ヘッジファンドがどう売り抜けるか・・。
かつて著名な投資家が言ったそうです。
「靴磨きの男の子がお客と株の話題をするようになれば、もう先は見えた」。
株で資産が増えた人は、
不動産、旅行、高額商品に消費が向かいますから、おおいに買って消費を盛り上げてほしいところですが、
バブルの経験値がそうさせるのでしょうか。
わたしの友人の株屋さんも、
「思ったより動きが鈍い。バブルを知らない国の人ならどんどん踊るが、日本人は経験しているから、どこかでセーブする。さらに個人、企業の情報リテラシーが飛躍的にあがっている。簡単に踊らない」
と、極めて冷静です。
先ほどの、靴磨きの話ではありませんが、
さしずめ、「朝のワイドショーで株を取り上げるようになれば、先は見えた」というところでしょうか・・。
まあ盛り上げたい気持ちはわかりますけど。
さて、株のお話は専門家にお任せしますが、
昨日、あるドラッグストアチェーンのトップがお見えになり、
時事問題についてインタビューさせていただきました。
斯界では論客として有名なトップですが、
いま調剤の世界でも、消費税増税対策が議論されているそうです。
わたしも思わず見落としていたのですが、
調剤(処方箋薬)の世界では、
患者は非課税。
しかし、医薬品の仕入れは消費税がかかります。
つまり増税されれば、仕入原価に上乗せになります。
患者負担にはできませんから、薬局が負担することになります。
このトップは、自社の調剤で1%程度の経常利益減を想定して、経営戦略を立てています。
当面は、処方箋枚数の増加が対応策になります。
つまり、処方箋の奪い合いが、より熾烈になるということです。
では、患者のほうは負担が上がらないかというと、
そうではありません。
この2年で、じわっと健康保険料があがっています。
調べてみたら、協会けんぽも1%あがっています。
健康保険組合はあがっているところが少ないですが、
8割以上が赤字。経営として成立していません。
今後、値上げプレッシャーはますます強くなるでしょう。
ちょこちょこ、いろんなものが上がっている。
あるチェーンでは、店舗照明をLED照明に変えて、年間20%以上電力コストを下げましたが、
電気料金の値上げで相殺されました。
大増税の足音はますます高まっています。
これで、「還元セール」の表現はノーですから、
社会主義も真っ青の価格統制です。
もちろん、価格転嫁プレッシャー対策ということですが、
言い換えれば、小売業は信頼されていないということですね。
いやはや、株高円安に浮かれる世情がある中で、
小売流通は反作用にあらためて先を見通さねばならないと感じています。