吉田繁治先生の人気メルマガ「ビジネス知識源」にユニークな考察がありました。

アベノミクスは日本の物価が低すぎるとして2%の物価上昇を目指した諸政策を打ち出しました。

吉田先生はそもそも日本の物価は国際水準でどうなっているのか論拠となる指標として、

公益財団法人国際通貨研究所が1973年からの経年変化を追っている「購買力平価」という指標を挙げています。

これは、通貨と物価の関係から米国で一ドルの価値を持つものが、日本ではいくらで買えるのかを表したものです。

それによると、直近の超円高時期、2012年9月、一ドル87円のとき、日本の購買力平価は127円。つまり日本の物価はアメリカより1.6倍高いことになります。

バブル崩壊前夜の1995年は、日本が1.9倍高かったのですが、最強と言われた日本経済バブル時期の格差が約2倍というのはなんとなく納得できるのですが、

2012年でも1.6倍というのは??です。

本当に日本の物価は国際水準から比べて低いのでしょうか?

購買力平価は、全物価が対象ですから家賃や教育費用、ガソリン、光熱費、一般消費財まではいります。

三年前あるグローバルメーカーがトイレタリー商材の国際物価比較をしたとき、

ティッシュペーパーボックス一個あたりの物価は、日本を1としたとき、米国が2.7倍、ドイツが3.8倍、フランスが1.4倍、イギリスが5.5倍という調査結果だそうです。

一般消費財のなかにはたしかに国際水準から比べて低いものもありますが、全体からすれば高い。

吉田先生は、高すぎた物価はむしろ国際的な関係のなかにおいて調整されてきていると見ています。

アベノミクスは、物価が国際水準に照らして高いのか低いのか、カテゴリー単位できちんと論拠を示して欲しいですね。

ただ日本の一般消費財を預かる商人は極めて冷静に経済政策を見ているようです。

このあたりはさすがです。


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