食品スーパーとドラッグストアの売場面積はおよそ、2対1です。つまり該当カテゴリー同士のスペース比較をする場合、尺数でいえば、2倍以上の差がつかなければ、食品スーパーもドラッグストアも、そのカテゴリーについては同じスペース比率になります。

きのうのブログでは、日配、加工食品から6つの中分類のスペース比率比較で特徴を抽出しましたが、きょうは、小分類からひとつ出してみます。

「ドライ食品」において、食品スーパーとドラッグストアで2倍以上の尺数数格差がついた小分類カテゴリーのひとつに「袋麺」があります。

東洋水産のマルちゃん「正麺」のヒットもあり、カップ麺に比べると4分の1の市場規模ですが、野菜などをのせるなどひと手間かけてつくる楽しさ、利便性に勝る実をとる感覚が受けて「袋麺」は市場規模が伸びています。

当然、ドラッグストアもキャッチアップすべきですが、売場の尺数を拡大するところまでいっていません。

また、袋麺では面白い現象がおこっています。

サンヨーの「サッポロ一番」シリーズは、袋麺のロングセラーの代表アイテムであり、なかなか値崩れしないのですが、

おなじく値崩れしないマルちゃん「正麺」に対抗してサンヨーが出した「麺の力」シリーズが、「サッポロ一番」より安い価格で提供されているという逆転現象が、食品スーパーでおこっています。

サンヨーが、販促協力金をつんで、マルちゃんの牙城を崩すためにあえて低価格戦略を打ち出したのか、わかりませんが、

あるドラッグストアチェーンが、「サッポロ一番」を食品スーパーより安く提供し、新製品の「麺の力」を食品スーパーのように値崩れさせることなく、「正麺」とおなじ価格で売っているのは、実に正当な方法だなあと感じます。

ドラッグストアは、一概に安売りを仕掛け、商品を育てないという批判がときどきありますが、

こうした例は、食品スーパーでも起こりうるということを認識したいものです。

業態問題ではなく、個々の企業がどういうMDポリシーを持っているかということを、メーカー、ベンダーは意識しなければならないのではないかと思います。



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