月刊MD編集長(2代目)のブログ


きのうのコストコさんの前出し陳列つながりではありませんが、


月刊MD2月号特集取材の一コマです。


エイジスさんは現在、食品カテゴリーの「品出し」作業のアウトソーシングを請け負っていますが、


小売業必須の「前出し陳列」に活躍するのが、この「前出し棒」。


ひとつひとつのフェースに手を棚奥までつっこんで出すのはなかなかの細かい作業になります。


そこでこの「前出し棒」が活躍します。


メディセオパルタックさんもそうですが、


作業そのものに独自の技術を持ち、差別化の武器として育てている企業は、いくつもの「カイゼン」の中で改良を重ねてきた「道具」があります。


小売業、とくにチェーンストアでは、


「作業」が差別化そのものになります。


最近、なにかと話題の「新幹線清掃」もこの類です。


かつて日本リテイリングセンターの渥美俊一先生は、


作業効率、合理化を追求する「スーパーバイザー」は独自技術体系の構築をもって、その報酬体系をつくるべきだと主張されました。


すなわち、


マーチャンダイザー、バイヤーが店舗における棚(商品)構成、品ぞろえを設計し、スーパーバイザーは、陳列、品出し、補充作業の設計を行います。


それはさながら、建築現場における、建築士と現場監督の関係に似ています。


たとえば、建築士が、建築計画上、予算に応じた工期と要員計画を立てますが、現場監督は、工期を短縮し、要員計画も少なく予算内で仕事することで「腕」を誇ります。


同じ予算なら、工期も要員も少ないほうがいい、だから足場の組み立て方から、重機の入れ方など独自技術が培われるのです。


小売業も同じですね。


作業そのもののアウトソーシングを引き受けるほどの企業では、道具も作業体系もどんどん洗練されていきます。


もちろん小売業が自社内に蓄えるノウハウであってもいいわけです。


まさに「リテールイズディテール」です。