アップルの創業者はだれでも知っていますが、アップルストアとなると知っている人はかなりの流通人です。

月刊MDの新春特別企画で日米のトップ経営者の言葉を集めた際、

弊誌常連筆者の鈴木敏仁氏が、アップルストア創業者ロン・ジョンソンのこの言葉を挙げられました。

「品揃えは幅広いからよいのではなく、お客にとって正しいかどうかが重要なのだ」。

この言葉の意味するところは本当に深いです。

ロン・ジョンソンは、米国のディスカウントチェーン「ターゲット」の商品部長でした。

ターゲットは、ウォルマートと同じくディスカウントチェーンですが、デザイン性が高くライフスタイルストアとしての位置づけを得ています。

ロン・ジョンソンは、アップルストアを立ち上げる際、従来の家電売場のように用途機能をフルラインで揃える「豊かさ」ではなく、元々アップルの商品ラインは少ないにせよ、極限的に絞ることで、世界のトップクラスにランクインする店舗数と坪効率を実現しました。

一方、鈴木氏は、彼のターゲット時代のエピソードであるマイケル・グレイブスなど有名デザイナーたちと開発した家庭用品PBの「圧倒的な豊富さ」を投入した例をひいて、

「絞るにせよ、増やすにせよ、それがお客にとって正しいかどうかがもっとも大切なことである。それがロン・ジョンソンとスティーブ・ジョブズが我々に実証してくれたことだ」

と、結んでいます。

非常に味わい深く、流通に携わる人であれば、一度はじっくりその意味するところを考えてみたいことばだと思います。

詳細は、月刊MD1月新年号にて。

楽しみにしていてください。


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