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このお顔をじっと見つめておりますと、いろいろな思いにかられます。

本日、チェーンストア研究団体ペガサスクラブの政策セミナーを受講しておりました。

夕方からは、渥美俊一先生の三回忌追善の偲ぶ会が行われました。

戦後チェーンストア産業の創業第一世代から三十代の次世代経営者候補まで集い、渥美先生のご遺徳を偲びました。

いまあらためて渥美先生が打ち立てた原理原則を学び直し、次なる時代を切り開こうとする新しい世代が誕生しています。

わたしも流通ジャーナリズムのはしくれとして直接薫陶を受けた最後の世代の自覚があります。

かれらと意見をたたかわし、チェーン経営のさらなる発展のための豊かな土壌づくりをしていかねばと、あらためて決意する次第です。

チェーン経営を批判する人もいます。

ただの安売りで、金太郎飴的売場のどこが面白いのか?

世の中には、批判対象をつくることで生きている人もおりますので、まあそれは生きていく方法論として否定しません。価値観の違いです。

ただ、チェーンストア産業のみが実現できる社会的役割というものがあります。

きょうは、渥美先生を継ぐシニアコンサルタントの桜井多恵子先生のアメリカ流通分析の講座がありました。

その中で、アメリカの全産業従業員数の50年間比較の表がありました。

1960年のトップ10は、

ゼネラルモーターズの59万5200人を筆頭に、電気、通信、製鉄、石油産業が占め、小売業は、2社のみ。

2010年のトップ10は、

ウォルマートの210万人を筆頭に、なんと小売、サービス業が9割を占めています。※製造業はIBM一社のみ。

これは裏返せば、製造業の合理性、効率化、またはIT、金融のレバレッジの高い生産性を示す見方もできますが、

桜井先生は、

チェーンストア産業は、人々の暮らしを守り育てる商品を供給するだけでなく、国民に生活の糧を提供しているー

つまり雇用を生み、それは世界に広がっていると表現しています。※2010年の数字は海外従業員数を含んでいます。

流通業の生産性を高める取組みの一方で、人々の暮らしをより豊かにする新しい売り方を開発していくことによって雇用を生み出す…。

これもまた流通業の社会的な役割のひとつだと思います。

この視座を与えてくださったのが、他ならぬ渥美先生です。

月刊MDもまだまだやることがたくさんあります!





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