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本日、月刊MDにも時折、ご寄稿くださるネオフィスト研究所の吉岡ゆう子先生のお招きで、

「次世代薬剤師を育てる会シンポジウム」に参加してまいりました。

テーマは、地域とともに歩むドイツと日本の薬局の実践例。

目から鱗だったのは、茨城のフローラ薬局を経営し、大学の客員教授も務める篠原久仁子先生。

薬草ハーブガーデンをつくり、アロマテラピー、薬膳レシピ提案から、アロマファーマシーへ、そして保険薬局を展開していったというユニークな経緯を持っています。それでいて、処方箋扱い枚数は、地域シェアナンバーワンです。

薬局3.0と言われる地域のコミュニケーションファーマシーを実践し、

薬局4.0と言われる「医師との共同薬物治療の臨床研究」の領域に踏み出しています。

あの問題となった「茶のしずく」も皮膚科医の先生とのパッチ研究で、社会問題になる前に、警鐘を鳴らしていました。

これが、本当の「薬局」の力なのだと思いました。

フローラさんは、ハーブの専門性を生かし、自家製剤のほか、のど飴、ハンドクリーム、アロマオイルなどのストアブランドも展開してエリアブランドとして認知されています。

篠原先生は、吉岡先生とともにドイツを訪れ、今回、ドイツの事例をご紹介いただいたアッセンハイマー慶子先生の薬局で、勉強されたそうです。

個人経営薬局は、ドイツも日本も厳しい環境に置かれていますが、ドイツの薬局はオリジナリティに溢れた取り組みを行っています。

篠原先生は、このオリジナリティの精神を日本の薬局に持ち込んでいます。

きょう、聞いていてなるほどと思ったのですが、

日本の西洋医学発祥の地は、長崎のシーボルトの鳴滝塾でした。

この鳴滝塾は、日本の医家の俊英が集い、その後の日本医学の発展に大いに貢献しました。

鳴滝塾のとなりには薬草ハーブ園があり、西洋ハーブがはじめて導入されました。またシーボルトは、ヒュルガーという薬剤師をドイツから呼び寄せ、医薬分業という概念を持ち込んだのでした。

そう考えると、フローラ薬局の取り組みは、まさに原点なんですね。

薬局の仕事を、既成概念で考えはいけません。

あらためて、オリジナルの持つつよさを知らされました。

ドラッグストアも同じではないでしょうか。

ドラッグストアは、こうあるべき、だなんてたかだか60年程度の歴史で限定するのは、あまりに想像力に欠きます。

漢方よりもハーブのほうがカジュアルなイメージがあり、取り組みやすいかもですね。

本日のシンポジウムの詳細は、月刊MD8月号にて。楽しみにしていてください。


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