「リテール イズ ディテール」、




「Think small=小さく考えよ」、




これらの言葉は、小売業の価値、ノウハウは「小さな」部分に宿っていることを表す象徴的な言葉として知られています。




まさに、




「神は細部に宿る」・・ですね。




これまで私も数えきれないほどの小売業の経営者の方々のお話をうかがってきましたが、




やはり「小さな」部分を照らせる人ほど、着実な成長、進化を遂げていらっしゃるように思います。




先日、取材でうかがったスタジオマリオさん。




スタジオマリオさんはカメラのキタムラさんが展開する写真館チェーンです。




カメラのキタムラさんと言えば、




しまむらさん、コメリさんと並び、日本のチェーンストア志向企業における専門店レギュラーチェーンで1000店舗を超す展開を行っている企業として著名です。




月刊MD7月号では、「顧客満足と作業効率を両立させる」というテーマのもと、このチェーンストアを悩ます難題をクリアしている事例企業として今回、スタジオマリオさんを紹介する予定です。




ふつうは、「顧客満足」を追求しようとすれば、効率や合理性を無視して、接客などに時間をかけることが当然という考え方をします。




逆に、「作業効率」を考えれば、接客時間やお客様とのコミュニケーションをなくすような行動をとりがちになります。




相反するベクトルを、同じ方向に合わせることができないか。




小売業の課題はここにあります。




「低価格でも高品質」




「安くて旨い」




「安売り=悪」というような安直な考えをするコンサルタントは大勢いらっしゃいますが、




これらの課題を解決するのが実はチェーンストアという産業なのです。




難しい課題から逃げるのは簡単です。




「いいものだから高い値段で売れ」




・・こんな楽なことはありません。




これはよく誤解する人が多いのですが、けっしてこのこと自体を卑下する気持ちはまったくありません。




いいものであればそれなりの付加価値をつけて売ること自体は当然だと思います。




ただ、難しい課題に取り組むチェーンの努力をまったく知らない無知な方が意外と多いのだということを残念に思っています。




すみません、前置きが長くなりました。




マリオさんもその難しい課題に取り組むエクセレントカンパニーのひとつ。




マリオさんはたとえば、写真館の最大ピークのひとつでもある七五三の撮影でも、




顧客満足度の評価指数のひとつである「客単価」「客数」を対前年比でアップさせました。




しかも、昨年よりコストをかけずにです。




少ない人数で、チームを疲弊させることなく、成果をあげることは至難の業。




子供の撮影は、子供の満足度ではなく「親」の満足度の勝負です。




しかも「親」の満足度を高めなければ、よい口コミも広がらず、リピーターも生まれません。




マリオさんは撮影の服選びも、撮影も時間無制限です。でも大体それぞれ10分程度で終了。




撮影後の商品販売(選択)にたっぷり1時間かけます。




服選びと撮影に時間をかけず、トータル品質を高める「見えない」ノウハウがあるのです。




詳細は月刊MD7月号をぜひお読みいただきたいのですが、ブログでは、ひとつだけ。







月刊MD編集長(2代目)のブログ



このカメラとスタジオの光量、配置、ここにノウハウが詰まっています。




まずカメラは完全固定。絞り、シャッタースピードなど勝手にいじらないようにロックされています。




つまりピント合わせだけで、プロ仕様の写真が出来上がる仕組みができあがっています。




このおかげで、モデルが目をつぶったような写真はできあがってこないようになっています。




研修によって、プロ並みの写真(*親が満足するレベルにおいての)が撮れるようになっているのです。




このカメラとスタジオワークのノウハウはまさにキタムラさんのノウハウ。




いやあ大変勉強になりました!




月刊MD7月号ぜひ楽しみにしていてください。