久しぶりに大前研一さんが書いたものを集中して何冊か電車で読んでいました。


日本の「集団IQの退化」について、つまり「日本国民はバカである」と堂々、論理的に主張する人はこの人くらいじゃないでしょうか。(笑)

まあ、昔からこのドラスティックさが私も好きなんですが…。


ある意味、痛快なところもあり、暗澹な気持ちになることも。


リーマンショック前後のものでも「グローバル志向」とか、「勝ち組」というキーワードがたくさん出てきます。


震災後の風潮や米国、ユーロの危機を考えると、これらの言葉になんともむなしさを感じたり、


「がんばらない」生活がいいのかなあと思ってみたり。


でも、そうはいっても、経済活動の重要性はますます感じるわけで、


管仲の「倉廩満ち足りて礼節を知る」ではありませんが、


「坂の上の雲」的な上昇志向がなければ、日本はこのままほんとうに沈んでしまうのでは・・とも思います。


大前さんは、

現代を生き抜く三種の神器は、「IT」「英語」「ファイナンス」と言ってはばかりません。


これはある意味、納得します。

最近、中国、韓国を中心に、アジアのドラッグストアや中間流通企業を取材していますが、


これらの企業の経営者やミドルたちは、まさに上記の3つの神器を使いこなしています。


わたしもただただ焦るばかりです。


なにに焦るのか。


ここでは明らかにしません。


ひとつだけ挙げるとすれば、


かれらはボーダレス経済と国家という制約のはざまで「自立」しているということです。


大前さんはいいことを言っています。


「中国やインドの台頭に焦っているのか、レベルの低い日本の経営者にあうとかれらは揃って、なにも学ぶことはないという。それどころか、中国やインドが日本に比べていかに劣っているかをずらっと並べる。大前さんは中国やインドに学べと言っているが、なにも知らないのではないか?」


これに対して、かれはこう反論します。


「たぶんわたしはかれら以上に、中国やインドの問題点は熟知している。それこそ何時間でも語れるだろう。だがそれを知っていることと、学ぶべき点を自分に生かすということはまったく次元が異なる。すべての国、すべての企業、すべての人のすぐれた点から学ぶーこれがわたしの方法だ・・」


このセリフ、ウォルマートの創業者サム・ウォルトンの言葉に似ています。


「すべての店舗のよいところを学ぶ・・」。


この精神だけは、わたしも忘れてはいけないと強く思います。



iPhoneからの投稿