上海にて、中国の問屋流通を取材しております。
中国は、規模は違いますが、かつての日本と同じように、数十万と言われる「地域問屋」が店舗配架の実務を担っています。
日本でいえば、大手卸企業の統合が進んでいますが、中国では全国問屋と呼ばれる企業はほとんどありません。
「問屋」、「代理商」これらの用語も使分ける必要があり、これはまたあらためて解説したいと思いますが、
中国最大の国資流通グループ「華潤」さんからカルフール、ワトソンといった外資小売チェーンまで、
これら地域問屋をどう使うかということがカギになっています。
もちろんかれらと取引するグローバルメーカーも同様です。
中国流通のカギを握る「問屋マーチャンダイジング」を勉強させていただいております。
これは、ある輸入製品問屋企業ですが、
中国最大のネットモール「タオバオ」にも出店しています。
これは、商品の導入試売データをとるために行っているもので、
ある輸入品を店舗に導入する際に、基礎データとして使用しています。
考えてみれば、新商品は売れるか売れないかわからないのに、密な契約なんてできないですね。
グローバルメーカーであれば、他地域のチェーンストアと組んで試売したイントロデータや過去類似商品導入曲線などと突き合せて「商談」が可能ですが、
そうではないメーカーはそんなデータなどありません。
この問屋企業は、ネット上のマーケティングデータを商談に活用しています。
価格帯、ターゲット、エリアデータ、メディアミックス効果などを検証しています。
中国では、このように「問屋」がマーケティング機能を取り込んでいます。
この企業は、もちろん「華潤」から「ワトソン」まで取引を行っています。
これらのトップ企業とデータを突き合せて商談するというのはまさに「タフネゴシエーション」の世界。
この問屋企業のミドルマネジャークラスはコカコーラなど外資メーカーで鍛えられたエリートの方々ばかり。
しかし勉強になります。