東大工学系大学院の大澤研究室主宰のシステムデザインセミナーを聴講中です。
テーマは「シナリオ工学」。
原稿を書く上で、また専門誌の特集をつくる上で、カギとなるのがこの「シナリオ」です。
「シナリオ」はビジネス戦略にもつながっています。
「シナリオ」を構造から捉えて、理解し、シミュレーション精度をいかに高めるのか。
これは工学のアプローチです。
ばりばり文系のわたしにとってはもっとも縁遠い領域です。(笑)
「シナリオとは将来予測ではなく、将来への想像力を掻き立てるツールである」
と本セミナー講演者の大阪大の木下先生がおっしゃいましたが、なるほど。
どのような売場をつくりたいのか。
それがあってそこに至るまでのシナリオの精度を高めるための技術ということです。
月刊MDではいくつもメーカー、リテール、ベンダー協働の実験検証データを蓄積しはじめています。
これらのデータをベースにどのような売場づくりを行っていくことが望ましいか。
月刊MDはこの領域のプロフェッショナルでありたいと思います。
また月刊MDでは2012年のラインアップを考えるうえで、ドラッグストアの「ロードマップマネジメント」を提示していきたいと考えています。
「ロードマップ」とはまさしく「シナリオ」の世界です。
ロードマップの整合性を考えるうえでも、シナリオの本質、課題を理解しなければなりません。
またもっと重要なことは、
シナリオは論理的に正しければ、それを受け入れられるのか?そういうことも「シナリオ」では重要な課題です。
よって、こんな私ですが、キャパははるかに超えているとは思いますが、工学の技術進化にキャッチアップすることは流通の進化には不可欠と思い、勉強中です。
この商品が売れたという事実(POS)から、そこに至るまでのプロセスでなにが購買の因子となっているのか。これを分解していくことは大変な作業ですが、
「シナリオ工学」はこれらの地道な作業を支援するツールと考えてよいでしょう。
どんな購買動機因子(内外)が弱いのか強いのか、どのようにお互いが影響を与え合っているのか、与えていないのか。見えない関係性が存在するかしないか・・。
さらにその仮説、実験、検証の整合性はどれだけあるのか・・。これは方法論として実践している企業は少ないと思います。
我が国のトップである東大の工学研究でもこの領域に関してはまだまだ研究者が少ないのが現状です。
こういう気づきも今後は販売計画、生産計画をつくっていくうえでとても重要になるかと思います。
とにもかくにも勉強し続けなければなりませんね。
大澤先生にはいつも貴重な機会をいただいています。有難うございます。