今朝がたようやくたまっていた原稿がひと段落しました。ふぅ~。


今週からはまたインプットを開始します。


さて、きのうたまたま図書館に行って原稿を書いていたのですが、


リスペクトする民俗学者宮本常一さんの著書をぱらぱらめくっていたのですが、*いつもの脱線です。(笑)


そのなかで「こどものあそび」というのがありました。


フィールドワークを重ね、その地域に伝わるこどもたちの遊びをアトランダムに紹介したものですが、


むかし、わたしも子供のころやった遊びを、忘れないうちに体系化すると面白いだろうなあと思ったことがあって、


ふと、ネットでこんなサイトを見つけて、小躍りしました。


http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/gyosei/kenjoho/kidsweb/04_more/asobi/hajimeni.html


さすが、わが故郷山口県。いい仕事しています。*宮本常一さんも周防大島の出身です。


この中で、一番よくやったのは、「世界一周」です。


真夏は校庭で、じょうろで線をかいてやりました。


盛り上がりましたねえ。


「ケンパ」「たかおに」「屋根ころ」などもよくやりました。これって山口の遊びだったんですかねえ。


「十字がいせん」も名前は違っていたけどやったやった。


子供のあそびってそれこそ民俗学ではありませんが、


・名前が一緒でもルールが異なっているもの


・ルールは同じでも名前が違うもの


・ある遊びの名前とルールがまったく入れ替わっているもの


それこそケンミンショ―ではありませんが、いろんなパターンがありますよね。


「ぽこぺん」というのはWikiを見ても、大体ルールは同じでしたが、


後ろを向いた鬼にみんなが突っついたあと、鬼は最初に自分の背中を突っついたやつを当てなければなりません。


鬼が当てる前に、


「どーこまで?」と聞きます。


そのときわれわれは、数字ではなく、走る場所の範囲を言いました。


たとえば、先に突っついたやつを鬼があてる自信があれば、


「校庭十周!」でもいいわけです。


うまく当てたら、その人が走るはめになります。はずれたら自分が走る。賭けですね。


このセレモニーのあとは、大体缶けりのルールとおなじですが、わたしはこのセレモニーのスリリング感が一番楽しかったです。


「どろけい」(けいどろ)も名前が地方によって異なりますね。

*テレビ番組の影響で小学生で最近流行ったとか。考えてみたら「逃走中」もそうですよね。


われわれは、「ぬすと(盗人)とたんてい」。


これはぬすととたんていの決め方に、ある歌がかかわっていたためです。


じゃんけんで一人勝ちぬけた人間が、参加者をぬすととたんていにわけるのですが、


ひとりずつ指差し、


「いろはにほへとちり・・ぬすと」


「をわかよ・・たんてい」と決めていくんです。


東京にきて、いろんな地方の出身者の人に聞いてみましたが、この呼び名と分け方は聞いたことがありません。


かなり独自だったんですかねえ。


「六むし」もWikiにあったルールとまったく異なっていました。


われわれは、2つのはなれた円をかいて、それぞれ二人の人間がそのなかでキャッチボールをする。その間を6往復すれば勝ちというものでした。*キャッチボールの途中でボールにあたったらだめということです。


あと、名前を忘れたのですが、これはむちゃくちゃ楽しかった。だれか名前を教えてください!


真中にマルをかいて、それぞれ参加者がその共有の○のまわりに自分の○をかいて、自分の陣地をつくります。そのあとはひたすらじゃんけんして負けたら鬼。鬼は陣地に逃げた人間にタッチすれば鬼が交替になります。でもタッチできなかったら降ります(皆に宣言する)。降参と言う意味です。この降参の時点で、両足いっぱいぶん広げて自分の陣地を拡大することができます。


○から攻撃用に前に陣地を広げるのもよし、逃げるように陣地を後ろに拡大するのもよし。


このあそびがはやったときは、空き地に広大なそれぞれの陣地ができあがっていました。


狭い社宅で自分の部屋がなかったので、嬉しかったんでしょうね。


まだまだ思い出せば、いろいろあるのですが、


最後に忘れてはならないのが、「ぼうしあて」。


これは敵味方にわかれて陣地をそれぞれつくり野球帽をあてあうというもの。先に全滅したほうが負けです。


雪合戦のぼうしバージョンですね。


防府から宇部の小学校に移った時、このあそびを導入して、大ブームになりました。


そしてあまりに影響が大きかったために、問題になったことも。


それで一度は禁止令まででたのです。


でもそのときの担任の先生は、こどもの自由な発想からでてきた遊びを抑制するのはけしからん!ということで、他学年の先生方を説得して禁止令を解いてもらいました。


こういう先生、なかなかいませんよねえ。


「ぼうしあて」はわたしも思い出があって、このあそびをテーマにしてなんと宇部時報社の中学生作文コンクールで入選してしまったのです。(笑)


いやあ嬉しかったですねえ。


東京は土の校庭や空き地がやはり少ないです。また子供も少なくなっていますから、なかなかこういう遊びって継承できないのかもしれませんが、


地方はまだまだ根付いていると思います。


それぞれの地方の独自のあそびを、我々の年代を軸にして、いつか全国版の事典にしてまとめたいなあというのがわたしの夢です。ネットじゃなくて詳細なルール説明のイラスト入り書籍がいいですね。


雨が降っているときの遊び、一人遊び、2-3人いるとき、大人数のとき・・というような分類タグもちゃんとつけて。


たぶんネタ自体は先の山口県のサイトだけでなく、さがせばたぶんほとんどの自治体に網羅されているのではないかと思いますし、


工場フリークのようにマニアックに集めている人がいるのではないかと期待しています。*いまの段階では見つかっていませんが・・。あったらぜひ情報提供してください!


小売民俗学のサブテーマでいいのですが、この「こどものあそび」もなんらかの形で残し、活用できないものか。


その思いを久しぶりに新たにしたので、ここに留めておこうと思います。


70%ぐらい現実逃避願望かも。(笑)