月刊MDではドラッグストアフードマーチャンダイジングの提案企画を仕込み中です。




伊豆の青木社長などトップコンサルティングの先生方のお力も借りて、




総合スーパー、食品スーパー、コンビニが真似できない「ドラッグストアフード」ができないか・・。




出張先の福岡にて、大きなヒントをいただきました。




それがこれです。







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福岡・天神にある「福萬」さん。 こちらは日本で3人しかいないと言われる醤油ソムリエの大浜大地さん。




店内には醤油の本場と言われる九州を中心に約280種類の醤油が並びます。




ここでソムリエの大浜さんと一緒に自分好みの「マイ醤油」を見つけていくのですが、




これが実に楽しい体験でした。




この写真は、実は締めの「卵掛けごはん」ですが、卵掛けごはんにかける「だし醤油」だけで10種類以上あります。




元は、熊本の橋本醤油さんという醤油蔵さんが、朝、時間がない子供たちのために、




「簡単で、栄養があって、腹持ちがいい、美味しい卵掛けごはんのための美味しい醤油を」




という目的で提案したところ大ブレイク。




いまではドラッグストアでも卵掛けごはん提案が行われていますよね。




北九州のエクセレントスーパーハローデイの加治社長も




「卵掛けごはんがおいしくなるかどうかがマーチャンダイジングの基準」と言うほどです。







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大浜さんが持っているのは、これです。




彼が考案したスプレー型醤油。しかもお刺身用、お寿司用など用途とテイストによって種類が異なります。




大浜さんは、ソムリエであるとともにマーチャンダイザーでもあります。




このスプレー型ですが、しょうゆをつけすぎたりしてしまう人にも喜ばれているとか。




病院に入院しているお父さんが病院食にちょっと味を加えたいときにひと吹きするとか。それでお見舞い用にも喜ばれているそうです。




スプレータイプですと、食卓にも置けますし、モバイル化も可能ですね。




むかし流行った「マイ七味」みたいなものですね。




ほんとうにびっくりするのですが、たったひと吹きで味がかわります。 




普段食べる、お豆腐、納豆、サラダ、すまし汁、お刺身・・これらをまさにTPOS分類してそれぞれの醤油を食卓に揃える。




醤油だけで、普段の食事が変わる・・。これはドラッグストアフードの武器になりえます。




しかも、重要なのは、醤油は究極の健康食品ということです。




昔ながらの醤油蔵はすべて地域ごとに特徴のある美味しい水、自然食材と発酵技術のみでつくっています。




ナショナルブランドは「減塩」という商品をわざわざつくっていたりしますが、




本物の製法でつくられた醤油は塩分も17-19%。




さらに高血圧用の人でも楽しめるさらに塩分を抑えたおいしい醤油もあります。




また美肌、黒髪の艶の効果もあると言われています。お醤油ダイエットもあるそうですよ。




これだけで醤油ってドラッグストアフードなんです。







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これは、卵掛けごはん用のお醤油を集めたライン。売場に並べるとこんなかんじになります。




卵掛け醤油発祥の地、九州の醤油蔵12種類を揃えています。鰹だし、昆布だし、有明海苔などそれぞれの特徴があり、少量パックがあれば、毎日異なる楽しみもできます。ちなみにキャップにはそれぞれの醤油蔵の屋号がデザイン化されています。




これも生産者に敬意を表した素晴らしい商品化だと思います。




現在は、北九州のハローデイさんなど一部スーパーさん、そして意外なことに東急ハンズさんのフードバラエティ雑貨コーナーに置かれています。このあたりのセンス、ハンズさんさすがですねえ。







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和だけではありません。これもすごいです。パン、ヨーグルト用のお醤油もあります。クリームチーズにかけても素晴らしいおつまみになります。




ドラッグストアフードの可能性を探るとき、この醤油というのは重要な示唆を与えます。




というのも、食品スーパーでは、いくら揃えても埋没してしまう可能性もあるからです。




その意味で、たったひとつの醤油というアイテムを深堀して、




ドラッグストアにかかわる商品を別物に引き立てる、TPOSを開発する(高血圧、糖尿病用など)・・これはある意味で万能調味料ならぬ、万能クロスMD商品として打ち出せば、食品スーパーにはできない差別化が可能です。




ただし、これはドラッグストアの既存概念である食品部門の調味料コーナーにちょっと揃えただけでは、お客様は見向きもしないでしょう。




ドラッグストアフードのコンセプトから改革しなくてはなりません。




そのコンセプトは、「地域の健康で豊かな食生活をサポートする」ということです。




しかもドラッグストアの持つ専門性と経営資源(薬剤師さん、管理栄養士さんなど)とは親和性も高いのです。




「健康かつ豊かな食生活」・・醤油一本でかわる・・これほど経済的な提案はありません。




かなりのベテランMDでも、フードMDと言えば、皆が知らない地域の隠れたこだわりの食材を発掘することだと思っている人が多いですが、それだけではありません。




醤油による一点突破、これは面白そうです。







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昨晩は、大浜さんとドラッグストアフード改革を肴に盛り上がりました。もちろん乗り気十分!やる気のあるドラッグストアさん、ぜひお声をかけてください。




手前は、ご紹介くださった福岡在住のライターの西松さん。焼酎や醤油など、九州のすぐれた文化を掘り起こされています。




ちなみに元ラガーマンで、ワールドカップネタでも盛り上がったのでした。