10年以上前のお話です。


現在は国会議員としてご活躍中の鈴木寛先生が、経産省官僚から金子郁容先生の研究室に行かれて、慶應SFCの助教授を務められていたころ、何度かインタビューさせていただき、ネットワーク理論の一端をご教授いただきました。


そのときのお話が、いま10年のときを経て現実になっているかと思うと、理論の持つ力というのはやはり強いなあと思います。


たとえば、


ジャニーズのコンサートチケットなどを、参加者の住んでいる地域ごとに席を割り振るという話。


東京ドームでコンサートが行われて、聴衆はいろんな帰り方をします。


JR、地下鉄、もちろん地方から来た人は周辺のホテルに泊まるでしょう。*車もありますが。


中高生なら、電車が多い。


おなじ地域に住んでいるということは、同じ帰り方をすることが予想されます。


使うホームが同じだと、仲間同士で来ていても、途中でグループ同士のコミュニケーションができる可能性があります。


また、友達とわかれて、ひとりになっても、自分の最寄駅の改札で、知らないけど、おなじうちわのようなグッズを持っている子がいたら、


「そういえば、さっき同じ電車だったよね」


となれば、アドレスを交換し合います。いまなら、mixi、やアメブロやっているという話で盛り上がるでしょうね。


そうなると、次のコンサートにいくとき、以前一緒にいった子が都合がつかないとき、今度は偶然、帰り道に一緒になった子を誘う可能性があるのです。


そうやってロケーションをベースにしたファン同士の交流のきっかけをつくることが、今後のビジネスでは大切という話でした。


これ、10年以上前の話です。


フェースブックなどソーシャルメディアの時代になって、これは現在、ごくふつうに行われるようになりました。


ループスの斉藤社長が、現在のビジネスの3条件として、


SO=ソーシャル


LO=ロケーション or ローカル


MO=モバイル


を挙げていましたが、


その基本形は、すでに10年以上前からあったわけです。


フェースブックは、商品コードを読み取れば、周辺の店舗の在庫量、価格をチェックすることができる技術をもった企業を買収しました。

これも面白いですね。

自分の居場所から、該当商品の最適な購入場所を教えてくれるということです。


たとえば、これ以前ブログでも書いたのですが、


部活の後輩たちのために、スポーツ飲料のペットボトルを2ケース買って持っていきたいとき、


自分の周辺で、あるいは学校の周辺で在庫している店舗はどこか?すぐ検索できるということです。


家電でも現在は消費者が価格コムで調べて、一番安い店舗をぐるぐる回っています。*時間がある人はいいですけどね。


そうなると店舗も在庫情報、価格情報、お得情報をどう出していくのか、店側の意識も変わっていきますね。


在庫も立派な情報発信になるのです。


ソーシャルメディアの発達は、店舗に来る前の選択に大きな影響を及ぼしそうです。


飲食店なら在庫数ではなくて残席数をアップしておけばいいでしょう。


いま6人いるけど、この近くでいまから6人入れる居酒屋さんはどこか。


こういうサービスも考えられそうです。もうやってるのかな?


ドラッグストアなら、薬剤師の在籍時間、調剤医薬品の在庫をロケーション情報とからめると、消費者だけでなく、医療機関、医薬品卸企業も便利になるでしょうね。


いろいろなアイデアがでてきそうですね!