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きのうの視察した店舗では、大きな待合室を備えた、調剤併設型ドラッグストアもありました。

同店では、調剤のポイント加算を大きく打ち出し、また軟膏などの容器代など含まないということをお客様にお知らせするPOPなどがあり、お得感を訴求していました。

いまやどこのドラッグストアでも見られる光景です。

調剤のハウスカードポイント加算はいろいろな問題点も含んでいると一時期取り沙汰されましたが、クレジットカード支払いが、随分前から可能になっている時点で、泥縄的な論議になっていないか危惧しています。

ドラッグストアの調剤部門は今後の少子高齢化時代において、大いに進化させていくべきだと思いますが、ポイントサービスなどは、やはりプラスアルファであって、本筋は、いかに患者さんの信頼を築けるかどうかです。

「門前じゃないと、処方箋枚数は増えない。」

「調剤は、立地がすべて。」

「ドラッグストアの買物ついでに処方箋を受け取れたら便利。」

このように調剤を非主体的に考えることもこれまでドラッグストアでは多かったかもしれません。

でもこれからは、調剤もドラッグストアも食品スーパーも、それこそコンビニですら、このように考えなければ、生き残れない時代です。

すなわち、

「不特定多数のお客様ではなく特定多数のお客様を得る時代」

ということです。

調剤の処方箋枚数もそのように考えるか否かで、戦略は変わってきます。

特定多数のお客様獲得の前提は、店舗、薬剤師さん含む、スタッフさんとお客様の信頼関係が、築けているかです。

病院の目の前にある薬局を飛び越えて、自分のいつもいくドラッグストア調剤に来てくれるお客様を何人つくるかが、重要なのです。

であれば、ドラッグストアも調剤も、他業態も皆、同じです。調剤はけっして特別な存在ではありません。逆に調剤を特別扱いすると危険です。

特別多数に来店いただく核カテゴリーのひとつぐらいと考えるほうがよいくらいです。

以前取材させていただいた、ある地方の調剤専門薬局さんのオーナーは、門前ではないのに、1日400枚以上処方箋を扱うことで著名なのですが、7割以上が、リピーターです。しかも新規も増え続けています。

これは、立地がいいから、優秀な薬剤師さんがいるからではありません。

スタッフの皆さんが、作り上げてきたブランドにお客様がついてくるのです。

オーナーは、

「薬局は、小売業のひとつ。弊社は薬剤師としての技術勉強は当然として、薬剤師の前に商人としていかにあるべきか。この教育をもっとも重視しています。」と言います。

薬剤師の方は、商人の前に薬剤師であれという専門職能のプライドを持たれる人が、多かったのですが、このオーナーは、薬剤師にもかかわらず、逆の表現をされたのでとても印象に残っています。

ポイントサービスは、あくまでもプラスアルファ。店舗とお客様の関係づくりが本道です。

瑣末な議論はさておき、ドラッグストアの調剤は、小売業としての本道の上で、利用者利益にかなう形で、実現されていかなければならないと強く思います。





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