月刊MD編集長(2代目)のブログ



きのう、銀座の写楽をお訪ねした後、次のアポまで時間があったので、駆け足で見てきました。




いやあ、モンキー・パンチ先生の扉原画はほんとうに素晴らしいですねえ。




しかしルパン三世40周年ですか・・。正確にいうと1967年に連載開始なのですが、人気に火のついた連載シリーズ『ルパン三世新冒険』とテレビシリーズパート1開始が1971年。




つまり、わたしと同い年ということです!




ちなみに同期にはドラえもんもいます。(笑)




どうですか、日本が世界に誇るスーパーキャラクター2人と同い年なんて、嬉しいですねー。




昔から、大隅正秋さんや大塚康生さん、宮崎駿さん、高畑勲さんなど、テレビのルパンシリーズを創られた方の話を紐解くのが好きなんですが、




テレビシリーズパート1の作画監督を務めた大塚さんのインタビューが、今回の展示会のパフレットに掲載されていました。




「後輩の人たちが新しいルパンに挑戦することに口出しをしてはいけないと思うし、40年も経てば時代もメンタルもかわる。ルパンは常に新しいものに挑戦していけばいい・・」




いいですねえ。素晴らしい。




いまから20年以上前のアニメージュという雑誌で掲載された「宮崎駿×大塚康生」対談というのがあったのですが、




これはテレビシリーズパート1を手掛けた2人が、テレビシリーズパート2(新ルパン)、劇場版第2作「カリオストロの城」を経て、ルパンを振り返るというものだったのですが、




なんと、ここで、宮崎駿さんのほうはルパンと決別宣言をしていたんですね。




カリオストロの城にもそんなシーンが出てきますが、




かつてベンツSSKを乗り回し、金と女を追い求め「盗みを芸術にまでに高めた男」というプライドで突っ走ったルパン




それが、イタリアの大衆車フィアット500を乗り回し、ライターは100円でいいよ。「盗みの美学」の価値観などこれっぽっちも顧みられない騒々しい時代変化の中で、ルパンが盗めたものは、少女の心だけだった・・。




ところが巨匠の宣言後、20年後もルパンはますます元気です。




かつて宮崎駿さんが決別し、遺したルパン像もひとつの形式美になって、ある意味「神格化」されています。




いまの最新の「フィアット500」に乗っている日本人はある意味ほんとのお金持ちですし、粋人。




わたしの知っているこれまた同世代のアパレル会社の社長も乗っているのですが、使っているライターはもちろん100円。カップラーメンも大好き。




しかも、たくさんの少女のハートを盗んでいます。(怒)




まあ、ある意味、典型的な「宮崎ルパン」に憧れて、いまだにやっちゃっている人がいるってことですね。(笑)




実は、わたしもルパンファンをずっと自認しているのですが、




ある時期から、まったく見なくなった期間があるのです。




それは山田康雄さんが亡くなったからです。




山田さんが亡くなったとき、これでルパンも終わりだなあと思ったものです。




後任に、物まねで名を馳せていた栗田貫一さんが座りました。




最初は、所詮モノマネがやることだから・・と避けていたのです(すみません・・)。




ところが、ある番組で、




山田康雄さんが、生前、栗田さんをとても可愛がっていたということを知り、また栗田さんもとても山田さんをリスペクトし、少しでも山田ルパンに近づく努力していたというエピソードを知りまして、




号泣・・。




わたしはなんと浅はかだったんだろうと。




ルパンという不世出のキャラクターの命をつなぐ、世代を超えた努力を当時、今更ながら知ったのでした。




いまではわたしも栗田ルパンを応援しています。




栗田さんがいいのは、山田ルパンファンにも配慮して、なるべく自分が今のルパンでございます!と表に出ないこと。これはほかのベテラン声優さんたちにも共通する鉄則でもあるのですが、あくまでも声優は裏方なのです。




これも山田さんの美学。




この夏、ルパンに学ぶ男の美学・・ちょっと復習しようっと。(笑)


追記:読者の方より、重要な指摘がありました。「仮面ライダー」も同期です。探せばまだまだたくさんあるでしょうが、「仮面ライダー」は外してはいかんですね!(笑)有難うございましたー。