きのうは、月刊MD、ニューフォーマット研究会の2か月に一度開かれている定例セミナーでした。

リテール、メーカー、ベンダーさん約80名が参加しました。


定例セミナーは、ドラッグストアを中心に、メーカー、ベンダーさんと共有すべき普遍テーマを中心に講義します。


今回は、「店頭実現力」。


いくらメーカーさんが素晴らしい商品をつくっても、店頭でしかるべきタイミング、しかるべきターゲットに訴求されなければ努力は報われません。これはベンダーさんも一緒ですね。


月刊MD編集長(2代目)のブログ

弊社主幹の基調講演に加えて、今回は、レッドプレーリージャパンの西本社長にゲストスピーキングしていただきました。


レッドプレーリーさんは、米国に本社を置く「ワークフォースマネジメント」分野ナンバーワンのソリューションベンダーです。


「ワークフォースマネジメント」とは、簡単に言えば、


日別、時間別の店舗要員ニーズを予測し、要員のスキルセット、さまざまな制約事項や就業ルールなど、複雑な条件を取り込み、最適な人時コントロールを行うことです。


ドラッグストアの店頭は、売場面積が狭い割には、補充発注業務が多く、多種多様な本部指示、またメーカー、ベンダーさんとの協働催事が複数入り乱れます。当然ここにPOP、スポッターなどの設置計画も入ります。いろんなフェアが計画されても、実際店舗でやりきれるかどうかは、店舗の最適な要員計画がなければ実現できません。


この「ワークフォースマネジメント」は、このような問題を、需要予測から最適要員とスキルを算出し、「ゲートキーパー」と呼ばれる「作業の優先度」を決めて振り分けるタスクポイントをつくってさばきます。


今回西本社長には、この「ワークフォースマネジメント」の基本概念と導入事例についてお話いただきました。


レッドプレーリーさんは、ウォルマート、ベストバイ、テスコなど世界一流のチェーンに「ワークフォースマネジメント」のソフトを提供しています。


震災後、被災地企業の多くは、働く人間の確保、それに伴う営業時間の変更、いつくるかわからない商品調達に悩まされました。一方で、店舗が減ったことによる余剰人員の振り分け、ワークシェアも課題となりました。


店舗や、企業における「要員計画の最適化」は実は今後もっとも重要な対策になります。


売上が伸びない時代、予算ベース管理手法では、

たとえば、予算対比95%の実績のときも、105%で立てたときの「要員計画」が遂行されます。


で、結果95%だったわけですから、当然人件費過多になります。


これでは人的資源の無駄です。


皆さんも、お客様が少ないときに、レジが多く開いていて、手持無沙汰のレジ要員さんが浮かない顔をしているのを見たことありませんか?


逆に、お客様が多くなってきたときに、レジが開いていなければ皆さんいらいらしますよね。


「ワークフォースマネジメント」はこういうミスマッチを需要予測によって日次、週次で対応します。


もちろん、これはパッケージソフトなので、個々の企業ニーズにはカスタマイズが必要になります。


西本社長は、JDA社長なども務めた日本の流通ソリューションベンダーの第一人者のおひとり。


西本社長曰く、


「米国でも、この言葉が流行りだして、書店で関連書籍が並ぶ頃、すでにトップランナーたちは、改善のステップアップに入っていました。日本でも、おそらく2-3年後は当たり前につかうようになります」。


技術革新と現場の課題をリンケージさせる能力においては、米国に学ぶことも多いです。


でも、それをカスタマイズしてさらに発展させる能力は日本も世界トップだと思います。


「ワークフォースマネジメント」に取り組んだ企業は2-3年後大きな成果を出してくるのではないかと思います。


この動きも注目したいですね。