震災と原発の風評被害で、物資調達が滞り、文字通り「陸の孤島」と化した、福島県いわき市。
このいわき市に本部を置く、ローカルDg.Sチェーンのくすりのマルトさんは、
3月16日以降、約1か月にわたって、「陸の孤島」において店を開け続け、調剤を供給しました。
あのコンビニですら、市内に150店舗もあったのですが、3週間にわたって閉店しました。
また医療機関も120軒あったのですが、3月16日以降は、なんと4軒になってしまったそうです。
まさにいわき市は医療難民があふれかえってしまったわけです。
薬を供給する場もマルトさんほか個人の薬局さん数軒のみになってしまいました。
マルトさんでは1日1000-2000人の患者さんが訪れ、朝7時から夜12時まで、薬を提供し続けました。
薬剤師さんの精神的、物理的ストレスも極限だったと思われます。
バイヤーさんも、トラックで本部から150キロ離れた物流センターなどをまわり必死で商品を集めてきました。
マルトの安島力(あじまちから)社長は、
従業員を集めて、「店を開け続けよう」「商品を提供し続けよう」と激励し、引っ張ってきました。
医薬品の供給は、地元の恒和薬品さんが24時間体制でバックアップ。同社のスタッフは車に寝袋を用意して対応してくれたそうです。なんたる使命感・・。
厳しい商品供給状況の中、
JACDS(日本チェーンドラッグストア協会)はじめ、同業他社のCFSコーポレーションさん、杏林堂さん、サンドラッグさん、アカカベさんなどが救援物資を大量に送り続けてきてくれたそうです。
なかでも、杏林堂さんは、段ボールに、スタッフの方からのメッセージが書かれていたそうです。
素晴らしいというか、言葉になりません・・。
避難所への物資供給も継続し、いわき市長、保健所の所長からも直接のお礼がきたそうです。
苦境の中、地域の「医療」と「生活」を守った使命感と誇りに私たちは、深い尊敬の念を持ちます。
実は、すこし前のブログで、「ペスト」を取り上げたのは、
なにも学生時代の思い出に浸っていたわけではありません。
安島社長のインタビューと取材を行った、弊誌主幹と副編集長の報告を聞いたからです。
まさに、安島社長とマルトさんのスタッフの皆さんはリゥーでありランベールだと思います。
月刊MD6月号では、安島社長のインタビューを掲載しております。
ぜひ皆さんに読んでほしいと思います。