きのうは移動中に、たまった吉田繁治先生のメルマガを読んでいました。

吉田先生は、流通業界における「テクノクラート知」の最高峰と言っていいでしょう。

大恩師のひとりです。


とくにマクロからミクロを見通す力、ミクロからマクロを読み解く力においては追随する方をほかに知りません。


きのうは2つの視点に注目しました。


ひとつは東電の事態収束に向けたロードマップの中身のなさの指摘です。

*吉田先生はサプライチェーン構築における情報統合と工程表作成の第一人者でもあります。


原発1機、1年で50名×1000時間(5万人時)の建屋内の炉と配管検査、および修復作業が必要と仮定して、

1年で何人の作業者数が必要か?


5万人時÷1人の可能作業時間5時間=1万人

2年なら2万人、

1機で1万人なら4機で4万人です。


必要人時と作業人数は、東電のロードマップには書いてありません。


今後9か月で収束にむかうという工程表は事実上破たんしています。


劣悪な環境下で働き、作業に携わった人は、2-5年間はほかの仕事ができません。


そういう条件での人材を年間1万人以上逐次投入するということです。


もうひとつは、震災後の実質GDPが、年率換算で5.4%(12.2兆円)減少したということです。

リーマンショックのときは、前月比GDPが3か月で9%(50兆円)減少ですから、このまま自粛経済が続けば、

間違いなくリーマンショックを超えます。*リーマンショックは4か月目以降回復。


個人消費がGDPに占める割合は、60%です。


輸出製造業がシュリンクする中で、なんとか内需を高める施策がなければ、ますます厳しい経営環境に陥ることは必至の情勢です。


政府財政も最悪の状態です。


阪神淡路の時代は、新規国債の引き受け手はたくさんいました。国内経済もバブルの後遺症があったとはいえ、余力があった。いまはそういう状況ではありません。この10年の財政無策のツケが出ています。しかも日本国債の信用リスクも高まっています。


吉田先生は、「ドル債売り」を明確にしなければこの難局を乗り切れないと提言しています。


吉田先生のメルマガを読んでいると、マクロからミクロ、ミクロからマクロを行き来する「視点」の重要性を痛感します。(*10年発行されて、まぐまぐのほぼずっと有料ビジネス部門のトップというのはすごいですよね)


さて、きのうは打ち合わせで、CCL(カスタマーコミュニケーションズ)さんを訪ねました。


月刊MD編集長(2代目)のブログ

顧客ID付POSデータをどのようなアプローチで分析して、実際の売場施策に生かすか。

これもマクロとミクロを行き来する「視点」が重要です。


月刊MD5月号からCCLさんとのコラボ企画を開始しています。