ドイツの食品ディスカウントストアの「アルディ」をご存知でしょうか?
きのうもちょっと触れたのですが、この店舗はドイツ流合理主義の塊のようなお店です。
でもグローバルブランドではアイテムによってウォルマートよりも販売数量を誇る世界屈指の流通企業です。
米国はじめ世界に現地法人による進出をしています。
わたしもドイツに行った時、視察でいくつも見ましたが、店舗自体はなんの面白味もなく、発見もない。
価格の安さに驚くのみでした。
でも、この効率一辺倒の極致は中途半端な「合理化」「効率化」よりもはるかに面白い要素が詰まっていると感じたのは、
このアルディを支える「べからず集」の存在を知ったからでした。
本日は半分ほど掲載しますね。
アルディの「べからず集」21カ条(前篇)
1)経営幹部の知的業務を軽減するためのスタッフを置かない
2)方針を出すための管理部門を設置しない
3)わざわざ外部に委託してまで市場調査は行わない
4)経営コンサルタントと一緒に仕事しない
5)予算の着地予測を行わない
6)正確性を追求して凝った統計手法はつかわない
7)MD面での課題解決のために科学的な分析テクニックはつかわない
8)顧客調査をしない
9)ISOなどTQM活動をしない
10)サプライヤーから条件を搾り出すための「洗練された」取引制度をつくらない
これって面白いですよね。ある先生から教わったのですが、実に深い。
ぜんぶ逆に置き換えてみると、いかに自分たちがムダな動きをしているかがわかります。反省込めて・・。
たとえば、
1)なんて経営幹部の仕事の定義です。経営幹部として仕事しているのか?ということです。
3)8)なんて調査会社や代理店が聞いたら真っ青ですね。逆に言えば、それだけの費用対効果があるかということ。
4)もコンサルタントの先生方の存在意義をうたがうような項目ですが、逆にいえば具体的結果を出せない人は無用ということですね。
5)は部門別管理に慣れた人からすると??ですが、たしかに予算に達しなければ、無理な取引をしたり、達していればなにもしないでは困りますね。この解釈はさまざまなんですが、お客様がいる限り営業時間ぎりぎりまで今川焼を焼き続ける・・というふうに私は解釈しています。繁盛店てみんなそうですよね。
6)もドイツ人がいうとうーむ・・というかんじです。9)も意外ですが、営業活動に関係ない「見栄え」だけの活動を目的にするなという戒めなんでしょう。
ちなみに、聞くところによると、ベンツやBMWなどの世界的メーカーも実はこれに近い「べからず集」があるんだとか。
いやあ見てみたいですね!ドイツおそるべしです。