昨年発売した10月号は、アジアのドラッグストア特集をおこなったのですが、
とても好評で、いまでも注文が入り続けています。
とくにこの数カ月メーカーさんの訪問も増えました。
世界最大のドラッグストア「ワトソン」研究を掲載していますので、とても参考になったようです。
こういう反応は、専門誌としてとてもうれしいですね。
ウォルグリーンやCVSケアマークなど米国ドラッグストアチェーンの情報はわりとあるのですが、ワトソンは少なかった。
インターナショナルバイイングトップであるマリーナさんのインタビュー記事はとくに読み応えがあり、いろいろご感想をいただきます。
ちなみに、これはいま富士山マガジンさんで、電子書籍を無料配信しています。PCやiPhoneなどで読めますので、ぜひダウンロードしてみてくださいね。*ご購入希望の方にもこちらをいま奨めています。
http://www.fujisan.co.jp/magazine/1281682751/free/
さて、タイトルのシンガポールのドラッグストアですが、
市場規模は、6億5000万(シンガポールドル)程度と小さく、
ワトソン(102店舗)とガーディアン(131店舗)の香港資本2強が市場を二分しています。
このなかで、国資でがんばっているのが、NTUCヘルスケア(45店舗)。
「ユニティ」(小型店舗)「リビングファーマシー」(大型店舗)というフォーマットがあります。
「リビングファーマシー」はショッピングセンターや繁華街に出店しています。
「健康・医療」をテーマに、化粧品も「オーガニック」や自然治癒能力を促す「セラピューティックス」に力を入れており、2大外資に対抗しています。
こんな什器もあります。英米チェーンと同じくPOPを使わないスタイルです。
でも人目をひきますね。これはキッズののど飴を売っています。
シンガポールは狭い都市国家に約300店舗の薬局、ドラッグストアがあり、メーカーにとっては飽和状態という見方も多いのですが、NTUCヘルスケアは店舗倍増計画を進めています。
というのは、やはり2大外資の寡占状態だと、価格の弾力性がなくなり、メーカー各社は厳しい取引を迫られるからです。
一方、2大外資も政府の人口増、観光客増政策への期待、さらにはASEAN諸国の統一市場化構想まで想定して、その中心都市のひとつになるであろうシンガポール市場にテコ入れを図っています。
ASEAN諸国の中でも、成熟消費市場の代表であるシンガポールは、一般医薬品規制も厳しいのですが、その分、認可が下りれば、他国にスピーディに投入できるメリットがあるからです。
日本でも、DHCさんがシンガポールのワトソンで独占販売していた製品の販路をマレーシアのワトソンに広げることを表明しました。
こうした動きは、益々活発化するでしょう。
月刊MDもダイナミックに展開するアジア市場をウォッチしていきます。
さて、シンガポールレポートを月刊MDに寄稿してくれたのは、わたしの幼馴染の弟くんなんです。
兄貴、つまりわたしの同級生は、いま東北大で准教授をやっており、なんともお堅い研究をしているのですが、
弟は、むかしからジャーナリスト志向で、シンガポールの通信社の記者をしています。
彼はもう10年以上前、大学を卒業する時に、わたしのところにきて、
日本の地方新聞社(正社員)と海外の通信社で香港勤務(契約社員)が決まったのですが、どちらがいいですか?と聞いてきたことがありました。
わたしはけっこうそのときは適当だったのですが(笑)、
「10年先を見たら、海外の通信社だろう」となんともかっこよく言ってしまったのですが、
結果オーライで感謝されています。
それでいま一緒に仕事ができるのですから、嬉しい限り。
しかもインドネシアのとってもかわいらしい奥様をもらいました。
でも、ごめんね、そのときは、ほんとうに適当だったかも。
自分の言葉に酔っていただけのような・・。しかも「サンクチュアリ」のパクリだし(笑)。
まあ、私の言葉が決定的というわけではないのですが、人の一生を左右する言葉だったんだなあと、思います。