ちょっと見えにくいのですが、右のPOPには、
「メダリスト」(水やお湯に溶かして飲む機能性飲料)の大容量パックを展開しており、
「500mlサイズが1日あたり147円」になるという説明をしています。
「メダリスト」がコンビニのお茶ぐらいの値段になるので、お得感があります。
これも、新しい入浴剤の提案ですが、右のほうに「1日あたり29円」というPOPがあります。
単価は高いけど、時間軸をずらすことによって、違うお得感を訴えている例です。
むかし女性誌で、よく見かけた「母娘三代でエル○ス!」というキャッチがありましたが、
私なんか、ひがみで嘘つけ!とか、こうやって女性は高い買物を肯定するんだよなあとか、けっこう悪態をついていたのですが(笑)、
なんだかんだいって、いいものを買うと壊れない、結果得する、なおしてつかえる・・・というのをずいぶん遠回りして納得しました。
そういえばうちの実家も20年前の電子レンジを使っていましたが。のび太のママみたく、動かない時はチョップしてました。
だから逆に高い買物をして、すぐダメになったりすると、キレますね(笑)。わたしもそう。親子ですね。
こういうのを貧乏性って言うんでしょうね。
ずいぶん前ですが、東大の山本良一先生が、「1秒の世界」という本を書いて話題になりました。
「世界で1秒間に使われる軍事費・・」「1秒間に世界中のマクドナルドに来るお客の数・・」など膨大な数字を1秒に換算して、ふだん遠い数字を身近なものにするという試みでした。
お世話になった、元名古屋大学教授、TAMA市民塾塾長の高原北雄先生も、歴史の時間軸をミリ換算する方法で、歴史の時間感覚を実感できるユニークなアプローチ法を提唱しました。
このイメージ化というのは大事ですね。高原先生曰く、
たとえば、1万円札の厚さで1億円だと1メートル、1兆円だと10キロです。では日本の財政赤字はどれぐらいでしょうか?こんなかんじです。
そういえば、日本の財政赤字だって、
「年収400万円そこそこの人が、1億円ちかい借金を背負いながら、年収1000万円の生活をしている」と言えばイメージしやすい。そりゃ普通なら銀行はお金を貸しませんし、クレジットの限度額はとっくに超えています。ふつうの家計ならとっくに崩壊。
日本の場合は、外国に住んでいる伯父の遺産がいつか転がり込んでくるから・・という信用(ある意味幻想)で、借金を重ねています。
とある有名国立大学の先生が、公務員志望の学生たちに、この話と、そもそも政府の財政赤字は、国家の国民に対する借金のことと教えたところ、青ざめたそうです。青ざめるだけましかな。
以前、ユニクロの監査役である安本隆晴先生の単行本をつくったことがあるのですが、
安本先生も数字のイメージ化の名人です。
面白かったのは、「会議の値段」。
1)年収と連動した会議参加者の単位当たりコストと会議にかけた時間コスト
2)会議の直接コスト
3)その会議に出席しないで、得られただろう営業活動による利益=「機会原価」
ここまでが原価。
ここに、会議を利益を出す装置として考える場合、
会議金額価値(原価)と同等の利益を出すために必要な売上がなくてはなりません。
こう考えたら、ただのブレストだって気合を入れないと、ただのコスト垂れ流しになる・・。
目先の利益にとらわれて、楽しんで仕事できない環境はかならず行き詰まるとは思いますが、
ときに、がちがちのプラグマティズムで見直すのもいい。*とくにこの国の政府。ふつうならトップ以下執行役員(政治家、官僚)まで全員クビです。
数字をイメージ化してみる癖は売場に限らず、ビジネスパーソンすべてに不可欠な素養ですよね。