月刊MD編集長(2代目)のブログ
ワンコイン検診を全国のイベント会場で展開してきたケアプロさんが先月末、イオン与野のショッピングセンター内に常設店をオープンしました。

これは、保険証を持たなくても、500円からセルフの簡易血液検査ができて、さまざまな健康状態の数値チェックができるというもので、なかなか医療機関にいく時間ができない方々に喜ばれているサービスです。


法律の関係上、血液の採集は、看護師さんのサポートのもと、自分自身でおこないます。わたしもやってみましたが、輪ゴムがあたったかな・・という程度の感覚です。


このビジネスを立ち上げたのは、川添高志さん。28歳の若者です。慶應義塾の看護医療学部を卒業し、東大附属病院などで研鑽を重ね、起業しました。見た目はとても静かな青年ですが、ご自身、学生時代より介護現場で働き、この国が直面する医療現場の問題をすこしでも解決していきたいという熱い思いにあふれています。


イオンの店舗オープン後は、わずか10日で600人の方が検査を受けたそうです。主婦層や単身の中高年男性の関心が高く、この検査から受診勧奨によって、大事に至らなかったケースも多く出てきており、感謝されています。


地域の医療機関や自治体サービスの関心も高く、地域医療のかかりつけ薬局を目指すドラッグストアにとってもケアプロさんのようなサービス業が立ち上がってくることはとてもありがたいのではないかと思います。


わたしの祖父母も晩年、重度の認知症によって、母が介護保険制度のない中で、苦労していたことを思い出します。そんなとき北欧の先端医療を学んでいたある病院の若い医師が地域で勉強会をつくり、とても役に立ったそうです。当時、徘徊者はベッドに縛り付けられた状態が常態化する中で、そうではなく最後まで人間性を尊重し残った機能を生かすための環境づくりに重きをおいて、介護する側も楽になるためのノウハウが詰まっていました。


最近、その母たちの世代が培った知見、介護ノウハウを生かそうという自治体や医療機関も出てきています。介護士という専門資格ではカバーできない分野で協力関係をつくっていく動きは素晴らしいのではないか思います。


わたしもバブル崩壊後の金融危機前夜で就活を行いました。第一次氷河期のひとつ手前でいまでも大変だったなと思う時があります。いま若い世代が第二次就職氷河期を迎えている中で、あらためてベンチャースピリットを持った若い世代が、この分野に挑戦してほしいなと思います。


大手商社をスピンオフして介護施設専門の給食サービスを立ち上げたベンチャー企業もあります。ベンチャースピリットあふれる若き経営者を月刊MDも応援していきたいなと思っています。


ケアプロの川添さんインタビューも月刊MD2月号にて掲載します。お楽しみに。