Eco Tourism | 丸山俊郎 BLOG

Eco Tourism

ご無沙汰しております。

すっかり冬が始まってしまい、グリーンシーズンの活動が掲載できないまま、多忙なシーズンインを迎えてしまいました(^^;)

イベントや各種カンファレンスなどは、実際の現場でお目にかかれた皆様と有意義な時間を共有させて頂けたということで、こちらではグローバルホテル産業に関わることを少し掲載したいと思います。

と言っても、前回記載したブログの後に滞在した台湾のホテルと、先頃オーストラリアで訪れた島のお話なので、旅行記のようなものですが。



台湾では、1週間ほどの滞在で東西南北ほぼ全ての都市を回りましたが、東の宜蘭を訪ねた折に、台湾で最初のWorld Luxury Hotel Awardsのグローバルウィナーを受賞された「礁溪老爺大酒店(Hotel Royal Chiao Hsi)」に宿泊しました。



2年前のプーケットのセレモニーでお会いして親しくなった代表のシェンさんは、台湾各所に施設を持っており、非常に多忙にされておられる方なので、この時はお会いできませんでしたが、副支配人が急なお願いにも関わらず親切にお世話してくださいました。



このロイヤルホテル・チャオ・シーはLuxury All Inclusive Hotelというユニークなカテゴリーで受賞されたのですが、オールインクルーシブとは、メキシコで行ったカンクンのホテルだと、食べ放題飲み放題のプランのことを言いましたが、一般的にはホテルの各種アクティビティー・アトラクションが全て含まれているスタイルを言います。



そこから分かる通り、こちらのホテル、プールや温泉設備、館内デザインが非常に贅沢なのに加えて、お客様参加型の文化的な劇や子供向けのゲームのイベントが毎晩あり、他にも滞在型のお客さんにも嬉しい、近隣トレッキングやヨガ等のアクティビティーが全て無料で体験出来るのです。



私も自身の宿で、海外のお客様向けに小さな文化体験型のイベントを期間限定で少し行っていますが、こちらは大きいホテルながら、それぞれの数あるアクティビティーが文化・歴史的にも自然環境的にも、大変郷土にマッチしたものになっていて印象深かったです。







エコツーリズムというと、何かを節約することによって環境に配慮をすることに主眼をおいたツーリズムという感じに捉えられてる気もしますが、一般的には自然環境や、文化・歴史などを観光の対象としながら、その持続可能性を考慮するツーリズムのことをいうので、このホテルの行っているアクティビティーはエコツアーの概念に当てはまる身近な良い例だと感じました。






そして、先月はまたオーストラリアに行っておりました。もうかれこれオーストラリアも10回以上(笑)



住んでいた時を除けば、私の旅行記の中で今回は一番長いオーストラリアの旅で、ウチのお客さん達を訪ねながら、いくつかの都市を巡りました。



シドニーからニューカッスル、そこから飛行機で南下して、先のTV番組「おぉ!信州人」の撮影の時に滞在していた常連グループさんの住む小さな海沿いの街タスラへ。





その後は、大好きなゴールドコーストから北上し、ブリスベン、サンシャインコースト、ヌーサヘッズ、ハービーベイまで行き、今回の一番の目的地でもある世界遺産フレーザー島に渡りました。



このフレーザー島は、世界で一番大きな砂で出来た島で、オーストラリアのエコツーリズムの発祥の地と言われている場所でもあります。



滞在したキングフィッシャー・ベイ・リゾートはエコツーリズムをこの地で始めるために作られたリゾートで、これまでオーストラリアの多くのツーリズムアワードを受賞して来ました。



地元のレンジャーによる、この島の自然のガイドツアーやアクティビティー、ワークショップが連日開催されており、この場所の特殊性・希少性が旅行者達に伝えられています。



実際のところ、これまでも私自身多くのオーストラリアの地で色々なツアーに参加して来ており、どこの地もそれぞれにユニークな自然環境があり、それを旅行者に伝えていたので、ここだけが際立って突出しているというのはそこまで感じなかったのですが、それでもやはり砂で出来ている島ならではの、他にはない自然環境や歴史がいくつもあり、また土着の方がレンジャーの多くを務められていることが印象的でした。



キングフィッシャー・ベイ・リゾートは、自然の中に作られたホテルなので、普通にロビー脇のその辺にヘビやイグアナがいます。。。。(^^;)

まっ、ある意味その辺は白馬と殆ど同じですね(笑)



フレーザー島の自然に溶け込む形で設計されモダンなリゾートの形をしながらも環境を維持する為のあらゆる調査に基づき厳しくチェックされ建設された環境に優しいリゾート。



そこを訪れる観光客に最大限の環境を保護するための努力をしていることを見せ、抱えている自然とそこから派生する文化的遺産を充分に理解し、そこを訪れる人々に正確に伝えていくことを使命としています。



これは、本当に学ぶべきものがありました。



実は今回、このオーストラリアのエコツーリズムの発祥の地と言われるフレーザー島に来たのには、私なりの理由がありました。

永続可能な豊かさや贅沢、英語でいうサステナブルLuxuryの実現は、エコツーリズムと大きく関わっています。

3年前に日本初という大きなタイトルを運良く手に入れた自身の生活拠点でもあり経営するビジネスが、また別の大きなタイトルを受賞する可能性が出た時、それはもはや運良くという言葉では説明できなくなり、客観的に証明し得るだけの力を持ち合わせないと、反対に信用を失う圧力になります。

それを立証出来る力が欲しくてここに来ました。



世界で他に類を見ない特種な自然の宝庫であり、先住民の時代から独特な歴史を刻んで来た世界遺産フレーザー島。



それと同じくらい稀少な自然環境を持ち、登山やスキーの特別な歴史を持つ白馬そして八方尾根という本物があったお陰だと。



やはり大切なのは、その本物がいかに本物であるかを、一つでも多く、知り、感じ、表現し、伝え、残していくこと。

それをこの島で確信しました。



島内巡りツアーの最後に寄ったマッケンジー湖は、これまで訪れたことのあるどこの湖よりも美しく、メキシコでセノーテを見た時以来の大きな感激でした。



砂で出来た島だからこそ出来上がるこの色と透明度。

湖の中で目を開けて空を眺めて見るという、これまでやったことのないことを何故かやってみたくなり。

すると、自分の瞳のレンズの範囲が分かり、その外周に少し自分の姿が鏡のように見える不思議な現象が起きました。



自分の視野がいつでも狭いと感じて、もっと色んな視点でものを見て他者を知ろうとする姿勢と、その視界に映るものの真実を探求して価値を見出して大切にする心。

それらが見えた気がした瞬間でした。