人と共に。 | 丸山俊郎 BLOG

人と共に。

前回の記事で洪水やサイクロンからの復興を喜んでいた矢先に、今回の今なお続いている恐ろしい出来事。

自然の脅威はこれほどまでなのかと、目を覆いたくなるような数々の光景と、その自然とともに生きているという事実。

亡くなられた皆様には、心よりご冥福をお祈りいたします。
そして、いまだ安否が不明の皆様のご無事を願ってやみません。




長野県北東部でも大きな地震がありました。

北西部に位置する白馬は、幸いにも最大震度2が数回あった程度で、何事もなかったかのように白馬三山は今日も悠然とそこにあります。

ご心配のご連絡を下さった皆様、本当にありがとうございます。
日本の知人はもちろん、洪水やサイクロンのあった時に応援メールを送ったオーストラリアの仲間達が、今度はこちらに応援のメッセージをくれて、他にもこの冬に出会ったアジア各国やアメリカの知人からも。

小さな島国にいる自分にとって、大国に住む人からの応援メッセージは、本当に心強く感じました。



今、何をすべきか、何が出来るかをあの日以来考えています。

自分に可能な寄付や節電はしてみました。もちろんこれからも。

無力な自分が被災地に対して個人でできることは、それと祈ることくらいしか思いつきません。



白馬そしてスキー場単位で考えてみました。

同じMt.6のマウンテンリゾート、蔵王温泉スキー場と野沢温泉スキー場が被害を受け、営業が出来ない状態にあります。

この一大事にスキーやスノーボードを楽しんでいる場合じゃないというご意見もあります。

しかし私は、スキー産業含め、観光業は、この国の経済の大きな一環を担っており、そこが滞ることは、ひいてはこれからの被災地を始めとした日本の復興に支障を来たすと思っています。

特に白馬は、他の観光地・スキーリゾートに比べ、海外からのお客さんを多く受け入れられる、つまり海外から日本へ資金の流入をもたらすことの出来る、日本経済にとって大きなプラス効果を生み出すことのできる場所の一つだと思っています。

蔵王や野沢が営業できない分までも、同じMt.6スキーリゾートである白馬が今頑張って運営を続け、スノースポーツ産業を衰退させないようにしなければいけないのではないかと考えています。

もちろん現実は深刻です。

あの日以来、宿泊はキャンセルが相次ぎ、ゲレンデは麓から人数が数えられるほどしかお客さんがいません。

今週末に予定されていたキッズフェスティバルも中止が決定しました。

渡部暁斗選手は、あの後、世界選手権で団体戦でも5位入賞を果たし、さらにノルディック五輪代表の成瀬野生選手もノルディック団体戦でアンカーを務めて日本初となる6位入賞に輝き、その両者にイベントに出演してもらい、子供達に夢を与えられればと考えていました。

残念ですが、事態を考えれば仕方ないですよね。



でも、そこで終わりではありません。

これからも、訪れる人々の心に、そして子供達に、この白銀の世界を通じて夢や感動を伝えていくために、事態が少し落ち着いたら、またスタートです。

今はとにかく、被災地に支援できる可能な限りのことをして、事態が一刻も早く収まることを願う時。

悲観的にならず、時に脅威も見せるけど、この上ない感動を与えてくれるこの母なる大地に、沢山の人と共に手を繋いで生きていることに感謝して。



今日、貸切温泉に入りに来てくれたオーストラリアのお客さんに、帰り際聞いてみました。

「今回のことで、来年から外国のお客さん減っちゃうかなぁ」と。

こう応えが返って来ました。

『僕達は来年もまた来るよ。だって、こんなに素晴らしい山と雪と温泉があるんだもの。それに料理は美味しいし、なにより人々が最高に温かいから!』とo(^^)o