たまにはパーツの事でも書いて見ます♪ | 富良野のバイク屋 PLATZ(プラッツ)のブログ

たまにはパーツの事でも書いて見ます♪

最近お客さんから聞かれる内容でよくあるのが、ブレンボのキャリパーって似たような形なのにイッパイ種類があるみたいでよく解んないんだよね。って質問があります。


で、たまたま今お店にいっぱいブレンボのレーシングキャリパーが付いたバイクがあるので書いてみようと思いますね!o(^-^)o



まず大雑把に行きますと、レース用と言われる物と、ストリート用と言われる物の2つに分かれます。

レース用とストリート用の違いでいきますと、ブレーキのメンテナンスサイクルの違いから来るブレーキピストンのダストシールの有無で(レース用はダストシール無し)当然ダストシールの無いレーシングキャリパーは頻繁なメンテナンスを前程としています。

他にもブレーキ鳴き止めのバックプレートの有無など(コレもレース用は無し)もありますね。


で、今回はレーシングキャリパーの中でもラジアルビックブレンボと呼ばれる物を紹介します。

ビックブレンボ(あるいはラージブレンボ)と呼ばれる物は通常のレーシングブレンボ(34mm/30mm)よりもさらにキャリパーピストンが大きい(今回の紹介の3タイプは全て36mm/32mm)ものを言います。

決して大きくブレンボって書いてあるからビックブレンボと呼ばれている訳ではありません(^~^)

ビックブレンボは全ての製品がキャスティングではなく総削り出しなのも特徴です。


キャリパーのピストンは大きいのに、ブレーキパッドはローターに対する当たり幅は狭くパッドの当たり面積よりも面圧を上げて効力を上げるのが狙いのようです。

その強大な効力に対応させるには当然ディスクローターに対する要求も高く、ローターの厚みは6mm以上の物を使うように推奨されています。(一般市販車ですと4.5から5mm厚の物が多いです)



まずはモノブロックレーシングキャリパーから行きますね!




モノブロックって言うのはその名のとうり一個のアルミの固まりから機械で削ったりくり貫いたりして作られた物を言います。

対向しているピストンの入る穴を機械加工する訳ですから、大掛かりな工作機械が必要となりますが、通常の分割構造のキャリパーのようにボルトで締結しているのではないので大幅な剛性アップが望めます。


ピストンが金色なのが見えるかと思いまがチタン製です。ピストンの横に小さな穴が見えるかと思いますがコレは冷却ようの穴です。

見た目ほすごくゴツイのに持ってみると案外軽いんです。ちょっと前までは市販で手に入るキャリパーの中では最高峰と言えるキャリパーでしたね!(*^o^*)

効き、コントロール性、信頼性、全てにおいて最高だと思われるキャリパーですね!

お値段はと言いますと一個あたりで40万円をちょっと切るくらいでしょうか。





で次は基本的には上と同じキャリパーなのですが耐久レース用キャリパーです。

モノブロック耐久キャリパーって言われる奴ですね!




同じくピストンはチタン製ですが最大の違いは。。。。




ブレーキパッドの仕掛けにあります。

上の写真はブレーキパッドを裏から見た所なのですが、丸い銀色のパーツが付いてますよね?

コレは耐久レース時のタイヤ交換の時にブレーキパッドが所定の位置からずれるのを防ぐための

物です。キャリパーピストンにパチっと嵌めこまさった状態で使います。


耐久レースのピットワークでキャリパーを外さずにタイヤ交換しているのを見た事ある人もいらっしゃるかと思います。フォークや色々な所に工夫があるのですが、キャリパーにもこんな工夫がされているんですよー(*^ー^)ノ


ちなみにブレーキパッドはブレンボ純正ですと1キャリパーあたり3万円くらいします。

この青いパッドはエンドレス製です。耐久性と効きを両立した素晴らしいブレーキパッドです。しかも安め♪


丸い銀色のパーツはリベット止めですので外して再利用するんですよー。


お値段はたしか1キャリパーあたり50万円を少し切るくらいだったと思います(汗)






三つ目のキャリパーはツーピースラジアルキャリパーです。





このタイプはチタンピストンですが、アルミピストンのタイプもあります。

先ほどまでのモノブロックキャリパーと違いキャリパーの表と裏を合わせて締め付けているボルトが見えるかと思います。

モノブロックキャリパーから見れば剛性は落ちるのかも知れませんが、全く問題はありません。

素晴らしい効きとコントロール性を見せてくれます。

表から見ればモノブロックに見せかけて実は裏にネジがある。なんてキャリパーがありますがこのキャリパーはレース用なので無駄な装飾はありません。素晴らしいキャリパーです。

値段は一個25万くらいだったと思います。



ざっと簡単にビックブレンボ達を紹介しましたが、まだ更にピストン径が大きく最新の物や、マウント方式の違う物、表面処理の違うものなどありますが、また今度紹介したいと思いますね!


そうそう。ブレンボのキャリパーの何が素晴らしいか?って言えば、お金さえ出せば(高いけど)純レース用のテレビでしか見れないようなキャリパーが買える。って事なんです。


国産にだってニッシンや、トキコ、アケボノ、等々素晴らしいキャリパーを作ってレースをやっているメーカーはあるのですが、その多くが一般には相当頑張っても手に入らない物なのです。


国産メーカーも良いレーシングキャリパーを売ってくれれさえすれば、絶対売れると思うんだけどなぁ~!!(特に耐久用!!) 笑