海外の消費者には日本のどんなアニメがウケているのか――。国をまたいだネット通販の総称「越境EC」分野で流通総合サービスを展開するBEENOS株式会社は、「越境EC×アニメヒットランキング2023」を発表した。

 

海外ユーザーの購買意欲の興味深い実態が浮き彫りになった。 

 

【写真】海外消費者に人気のアニメ作品は? 大注目の結果がランキングで発表  今回、同社のサービス「Buyee(バイイー)」の購買データ・消費動向を分析。東アジア、東南アジア、中東、北米、中南米、ヨーロッパの6エリアに分け、越境ECでグッズが売れたアニメ作品についてランキング化した。  まず、アニメカテゴリを俯瞰すると、購入金額は2019年から20年に伸長後、成長を継続。23年度の全体のシェアは25%を占めた。中南米エリアは顕著で、22年から23年にかけて120%増加した。  各エリアの傾向は特徴的で、ヨーロッパのメインユーザーは20代男性で、メイン購入国は英国、最も購入の多い価格帯は「5000円以上1万円未満」だった。中東は20代~30代男性が中心で、アラブ首長国連邦がメイン。購入価格帯は「5000円以上1万円未満」を記録。北米は米国、中南米はブラジルが牽引(けんいん)した。東アジアは20代男女・30代男性でメインは香港・台湾、東南アジアは20代~30代男性でシンガポールが突出した。 

 

 ここで、「2023年放送アニメ×越境ECヒットランキング」が明らかに。『ポケットモンスター』がトップに輝いた。 

 

 1位『ポケットモンスター』  

   2位『呪術廻戦』 

 3位『あんさんぶるスターズ!! 追憶セレクション クロスロード』 

 4位『鬼滅の刃』 

 5位『五等分の花嫁』 

 6位『SPY×FAMILY』  

  7位『聖闘士星矢:Knights of the Zodiac』 

 8位『進撃の巨人』 

 9位『東京リベンジャーズ』 

 10位『BLEACH』  

ポケモンの人気はやはり世界を席巻していた。全6エリアでトップをマーク。すべてのエリアのトップ5に『呪術廻戦』『鬼滅の刃』がランクインを果たした。また、中東の2位にサッカー漫画・アニメの金字塔『キャプテン翼』が入ったことは特筆だ。同社担当者は「(2022年に)サッカーW杯が中東カタールで開催されたことも関係するのではないかという仮説が立てられます」と話す。 

 

 また、「2023年第1期放送アニメ作品」のヒットランキングも公表され、『推しの子』『Paradox Live THE ANIMATION』『地獄楽』と続いた。漫画を含めて高い評価を得ている『葬送のフリーレン』は8位にランクインした。 

 

 海外ユーザーには何が売れたのか。  北米・ヨーロッパ・中東といった経済力が高いエリアでは「トレーディングカード」が1位に。中でも、「ポケモンカード(ポケカ)の日本語版が特に売れている」(担当者)とのことだ。日本国内でも価格高騰が話題を集めており、うなずける結果になった。トレカ分野では『遊戯王』が人気を二分しているとのことだ。 「ぬいぐるみ」は中南米で2位、ヨーロッパ、北米、東アジア、東南アジアで3位の人気商品であることも分かった。  そして、アニメグッズの定番と言える『フィギュア』はすべてのエリアで高い人気を誇ることも明らかになった。東アジア、東南アジア、中南米で1位、ヨーロッパ、北米、中東で2位と底堅さを示した。購入データを分析すると、単価は「5000円以上1万円未満」の価格帯が顕著に買い求められており、男性70%・女性30%。20代が27%、30代が28%、40代が22%で、8割近くのボリュームとなった。海外ユーザーは十数万円の高価格でも購入する熱狂的なファンが多い印象があるという。 

 

 アニメソングの観点から調べた独自データも注目点だ。「越境EC×2023年アニソンアーティスト別ヒットランキング」は、『推しの子/アイドル』と『葬送のフリーレン/勇者』でそれぞれ主題歌を担当した『YOASOBI』がトップに輝き、『Aimer』、『Ado』が続いた。4位は『結束バンド』、5位は『ヨルシカ』の結果となった。