裏金事件が起きた自民党安倍派の「5人組」の1人、萩生田光一前政調会長(60)の地元、東京都八王子市で21日、任期満了に伴う市長選が投開票され、自民、公明両党が推薦した無所属新人の元東京都職員、初宿(しやけ)和夫氏(59)が初当選した。 

 

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5人の候補が届け出た選挙戦。初宿氏は、地域政党、都民ファーストの会の元都議で、立民、共産、社民各党が支持した野党系の滝田泰彦氏(41)との接戦となったが、最終的に滝田氏に6600票あまりの差をつけ4候補を振り切った。  今回の市長選は、萩生田氏も当事者の1人となった安倍派の裏金事件で逆風のさなかに行われた。「政治とカネ」が争点の1つとなり、初宿氏の当落は、萩生田氏の今後の政治動向にも影響するとみられていた。 

 

 裏金事件の影響で表立った応援がほとんどできなかった萩生田氏に代わり、最終盤には、小池百合子都知事や菅義偉前首相らも応援に入り、支持を訴えた。当初、応援するかどうか態度を明確にしていなかった小池氏が19日に応援に入ったことで、勢いが付いたとみる向きもある。日本維新の会の東京の組織「東京維新の会」も支援した。 

 

 萩生田氏は市長選の応援を理由に、安倍派解散方針が決まった19日の安倍派の臨時議員総会も欠席。当日は、記者会見を開く「5人組」メンバーもいたが、萩生田氏は「私自身の政治資金については後日、説明する機会を設けたい」とコメントを発表しただけだった。  滝田氏は、萩生田氏や自民党への批判票取り込みを狙ったが届かなかった。  投票率は38・66%。前回の31・46%を7・20ポイント上回った。