参議院委で中国人権問題を取り上げ 臓器収奪も

山田宏・参議院議員は11月7日、外交防衛委員会で政府に中国人権問題に関する質問を行った。香港情勢、ウイグル族の大量拘束、さらに臓器強制収奪問題について取り上げた。臓器収奪問題については、外務省から調査を行うよう求めた。

山田議員は、米ペンス副大統領が半官半民のシンクタンク「ウィルソン・センター」で行った対中国政策演説を例に挙げ、米政府の中国人権問題への取り組みと、これに合わせた国際的な報道の増加により、「人権侵害について日本も強く出る好機だ」と述べた。山田氏は政府に対して、中国人権問題への積極的な行動をうながした。

山田氏は、外務省に勤務経験のある40代の北海道大学教授の男性が9月、北京で拘束された事案、および他の中国における日本人拘束事案について、政府に早期解決を求めた。北海道新聞によると、北大の男性は中国国務院のシンクタンク社会科学院に招待され北京を訪れた際、拘束されたという。

日本にとって、邦人拘束、人権問題および安全保障に課題が多いなか、中国の習近平国家主席を来春、国賓として迎えることに、自民党議員からも疑問の声が上がる。山田議員は「邦人拘束が解決しないまま、領海侵犯事案も増える傾向にある。日中関係が正常な軌道に戻った、と言えるだろうか」と指摘した。松川るい議員もまた同委員会で、邦人拘束問題が「未解決のまま中国主席を国賓として迎えても、日中関係を新たな段階に引き上げたといえるのか」と疑問を呈した。

茂木外相は、一連の邦人拘束に対して、10月に即位礼参列のために来日した王岐山国家副主席にも抗議したと述べた。報道によると、安倍首相もまた王副主席との会談で、早期帰国への対応を求めたという。

ウイグル問題と臓器収奪問題

中国西部・新疆ウイグル自治区の人権侵害については11月5日、米ポンペオ国務長官が声明を発表。国外に脱出した収容経験者や家族への迫害について強い懸念を示すと批判した。これ以外にも、米国務省や国防総省は、ウイグル自治区における少数民族の大量拘束に幾度となく言及している。

外務省参事官は、同問題について、2018年10月および2019年6月の日中首脳会談、そして、スイスのジュネーブにおける国連人権理事会の定期レビュー・対中国審査では、ウイグルの人権問題に言及し、勧告するなどしていると回答した。(以下略