民進党は8日の常任幹事会で、既婚男性との交際を週刊文春が報じたことを受けて山尾志桜里元政調会長(43)が提出した離党届を受理した

10月に予定される衆院3補選への影響を懸念し、早期の幕引きを図った。ただ、一部の出席者から離党を了承することに慎重な意見が出た一方、党内には議員辞職を求める声も残り、双方で執行部批判がくすぶっている

 前原誠司代表は記者団に「優秀な議員と思っていただけに極めて残念。私自身も含めて話を聞き、最終的に山尾氏本人が(離党を)判断した。決断を尊重したい」と語った。 山尾氏は周辺に「やましいことはない」と語るなど、男性との交際は否定している。このため幹事会では、出席者の一部から「この場で即断すべきではない」などと慎重な声も出た。しかし「党に迷惑をかける」と離党を決めた山尾氏の意向に対し、「重く受け止めるべきだ」との意見が多数を占め、離党届の受理を決めた。 同党の若手の一人は「自民は徹底的に人を守るが、うちはすぐに人を切る。情がない」と不満を漏らす。山尾氏の幹事長起用をいったんは内定した後、結局見送った前原執行部の対応が「問題をより大きくした」との指摘も出ており、民進党は衆院3補選や秋の臨時国会への悪影響に懸念を強めている。

 

 

 

民進党の衆院議員5人が来週にも離党する方向となり、山尾志桜里元政調会長の不倫疑惑報道で揺れた前原誠司新執行部にさらなる激震が走った。もっとも5人は、代表選のときから離党を検討していたが、前原氏が見直しを明言していた共産党との選挙協力について曖昧な姿勢を示し始めたことで、党に見切りをつけた面もある。前原氏が優柔不断な態度を続ければ「離党ドミノ」は加速しかねない。(水内茂幸、豊田真由美)

 5人のうち笠浩史氏ら3人は細野豪志元環境相が結成した党内グループ「自誓会」の中核メンバーだ。細野氏は8月に民進党を離党する際、共産党との選挙協力路線に不満を示し、憲法改正議論をタブー視しないよう求めていた。 笠氏らは、細野氏が離党した後も連絡を取り合い、今月1日投開票の代表選で「党が解党的出直しを図れるか行方をギリギリまで見守っていた」(離党予定の一人)という。 細野氏は、小池百合子東京都知事に近い若狭勝衆院議員とも新党結成を視野に協議している。笠氏らが離党して細野氏や若狭氏と合流した場合、10人を超える大規模な新党が誕生する可能性もある。

 前原氏は、1日のBS番組で、代表選の無効票が異例ともいえる8票も投じられたことについて「『いろんな思いを持つ議員がいることを受け止めて党運営に当たれ』というサジェスチョン(示唆)だ」と述べた。同時に、前原氏が売りにしていた民共連携の見直しは、しぼみつつあるようにみえる。 代表選で民共連携路線の維持を求める枝野幸男代表代行が予想以上に得票を伸ばしたこともあり、代表就任後は曖昧な発言をするようになり、「代表は独裁者でない」「地域の事情は考慮する」と軌道修正に含みを持たせた。

 8日に新執行部で行った各党への挨拶回りでも、前原氏は共産党の志位和夫委員長を前に共闘見直しに言及しなかった。共産党幹部は「共闘を維持しなければ自民党候補への勝機がないのだから、前原氏は必ず選挙協力に応じるはずだ」と言い切る。 民進党内には、なお多くの「離党予備軍」を抱えている。前原氏が「挙党態勢の構築」を重視するあまり、路線対立を抱える党内をまとめられず、あやふやなままにしようとするなら「解党」という結末も現実味を帯びてくる。

 

もう、解党でよし。