大阪市の橋下徹市長(大阪維新の会代表)は1日、東京都内で開かれた大阪維新の全体会議で、市長を辞職したうえで出直し選挙に出馬する意向を表明した。松井一郎大阪府知事(大阪維新幹事長)の辞職については否定した。自らが提唱する大阪都構想が事実上頓挫しており、出直し市長選で事態の打開を図る構えだ。

 全体会議の出席者によると、橋下氏は松井氏の知事辞職を否定したうえで、出直し市長選で敗れた場合には「松井氏も含めて、2人とも政界を去る」と述べた。

 大阪府・市を再編する都構想を巡っては、制度設計をする法定協議会で1月31日、市を分割してつくる特別区の区割り案4案を1案に絞り込むとの橋下氏らの提案を、維新以外の各会派が反対して事実上否決した。特に、これまで一定の協力関係にあった公明党が、他の野党とともに反対に回った。松井氏は「だまされた」などと非難しており、構想実現に不可欠な公明の協力が得られない状況に追い込まれていた。

 大阪維新の全体会議に先立ち都内で開かれた日本維新の会の党大会で、橋下氏は党共同代表としてあいさつし、「全政党を相手にした民主主義の戦いになるかもしれない」と述べた。さらに「こうやってしゃべるのも今日が最後かもしれない。今後の日本維新の会は皆さんに託す」と、党運営から距離を置く考えを示した。

 さらに、大阪府・市を再編する都構想の協議を巡る公明の対応を「約束違反」と非難した。2012年衆院選で公明と関西6小選挙区で選挙協力した際、「都構想を問う住民投票まで進めさせてください」と約束したと強調。「公明までが反対となり、都構想の議論はストップする」との認識を示し、「最後の最後まで、戦い抜くところは戦い抜く」と語った。

 公明側は約束の存在を否定しており、府議団の清水義人幹事長は1日、「これまで通りきちんと議論しようと言っているだけだ。批判は全く理解できない」と話した。

 出直し選について、野党各党の中には、具体的な候補者名は挙がっていない。対抗馬を立てずに「黙殺」すべきだとの意見と、早急に準備を進めるべきだとの声がある

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