２月は人生初の手術も無事終え２日前に退院してきました。入院中は栄養士さん献立の病院食以外は他に口付けなかったので早速外食にお出かけしました。まず昼食にバイキングを選んでトースト・ハムエッグ・コーヒー・オレンジジュース・サラダ（笑）珈琲を断っておりましたからシャバのコーヒーは格別です。肉もなかったので夕食はサーロインステーキ（安いお店だったので味はかなり酷い）そして院内の本（田辺聖子・吉本ばなな・東野圭吾・三島由紀夫など）を読み漁っておりましたから久しぶりに映画を観たくなって出かけたのがこの映画です。　１９８１年アイルランドの片田舎で暮らすコット（キャサリン・クリンチ）９歳の

ヒロインの夏休みの物語。コットの性格は寡黙と紹介されていますがほんの１カット小学校の昼食時間で牛乳を飲んでみたい女の子から家庭環境がわかるのです。廻りから疎まれたり揶揄われたり下向き加減の無口な子なのです。そしてコットの両親は妻の妊娠出産のため遠くに住む従妹の酪農家に夏の間だけこの夫妻の家で過ごすことになります。車で片道３時間の道程を父は運転しながら競馬の実況に夢中です。このお父さんが日本にいたなら公営ギャンブルでボロボロになったでしょうね（笑）従妹の夫妻はコットを預かることを心から歓迎しています。奥さんのアイリンはコットをわが娘のように入浴時に背中を流したり、髪を梳いたり

肌を美しく保つ神秘の湧き水へ招待してくれます。夜寝る前にコットはベッドの下に秘密を隠したりしています（笑）子供とはいえコットは夫のショーンが営む乳牛舎の掃除を手伝ったりショーンの郵便箱まで走ったりして少しずつ夫妻に溶け込んでいきます。今まで気づかなかった着替えがお下がりは女の子用がなくて（ネタバレ禁止）街に買い物に出かけかわいらしいお洋服を買ってもらいコットの走りも徐々に力強くなってきます。アイルランド映画と言えば私が観ている作品は「あなたを抱きしめる日まで」「ローズの秘密の頁」「麦の穂を揺らす風」そして「ライアンの娘」なのですがライアンのために海鮮品を届けてくれるあのおじさんに父親もショーンもよく似ているんですね（笑）子牛にミルクを飲ませる哺乳瓶を見て「なぜ赤ちゃんに母乳を飲ませないの？人間はミルクでいいのに」と初めて自己を主張して成長を感じさせます。ラストを観客に委ねたのはとても好感持てましたね。“An Cailín Ciúin ( The Quiet Girl)”とにかくコットの走りに凝縮されています。　　（☆４．２０）

『コット、はじまりの夏』（アイルランド）子牛には母乳を