病気と言われてから、「普通」という言葉が嫌いになった。

普通の人は働いて、結婚して、子供を作って、普通に暮らす。

それが、出来なくなってしまった自分は、普通ではもうなくて、異常になってしまった。

人間としての落第点を押されてしまった様な気分だ。


そんな中、初めてがんセンターに行って驚いたのは、患者さんの多さだ。

がんセンターの患者さんは、きっと誰もが皆、何かしらのがんなんだろう。

あの時、あの空間ではがんである人の方が多く、がんであることが多数派で、がんである事が普通だったのだ。




そう思った時、がんであることが少しだけ許された様な気がした。