京都で暮らすようになって、ホタルが身近でかわいい虫になりました。

ホタル、ご覧になったことはありますか?
私は小学生の頃に夏の林間学校で一度見たきりでした。
あと思い出すのは和歌で詠まれる姿。
その寿命の短さや発するあえかな光により切ない恋歌が多いようですね。
なので、ホタルというのは、
自然豊かな里山に行かないと見ることができない,
自分の生活からは離れたちょっと夢みたいな虫だと思っていました。

そんなホタルですが、住宅街の中で見られると聞いて行ってきました。
場所は松ヶ崎駅から程近くの松ヶ崎疏水です。
そこは本当に住宅街で、疏水沿いに家が立ち並び、とても静かでした。
特別ホタルを目当てに来たような人はいなくて、
お散歩帰りのようなご家族連れが数組いらっしゃるだけでした。

そのご家族にまじって川を覗き込むと、いました、ホタル。
ちょうど桜の作った影の下で、
10匹くらいのホタルが草にとまって光っていました。
しばらく見ていると、ひょろりと飛んで
近くの草に移ったり戻ったりしていました。
なんともゆったりした動きで、小さくぽつぽつと光って、
テレビや写真で見るような幻想的な光というよりは、
小学校の理科の実験で使った豆電球みたいでかわいかったです。

隣で見ていたご家族の男の子は、
お父さんにどうしてホタルが光るのか教えてもらっていました。
子どもの頃に街中で暮らしていながら普通に自然に触れることもできて、
羨ましく思いました。
あの男の子は大きくなって、
私みたいにほとんどホタルを見たことがない人に出会うことがあって、
かえって驚いたりするのでしょうか。
お父さんから教えてもらったことを話してあげたりするのでしょうか。

ホタルが遠い存在ではなく、身近に感じられるようになりました。

こちらの疏水では数が少なかったのですが
(私が見た時がたまたまそうだったのかもしれませんが)、
京都では下鴨神社や哲学の道など他にもホタルを見られるところがたくさんあるそうです。
時期としてももうしばらくは見られるそうですので、
ご興味がありましたらお出掛けになられてはいかがでしょうか。