毎日ブログ生活おそらく3091日目
メインのブログがトラブルで表示されないため、
本日2024年5月31日は久しぶりにアメブロで更新します。
(どうやらサーバーの業者がトラブっているようです。)
最近、定額減税に関して
質問を受けることが多くなりました。
せっかくの機会ですので
どのような制度かを
ざっくりと説明しておこうと思います。
(分かりやすく説明するために
細かい部分は省略しています。
実務の際は必ず細かい部分まで
ご確認ください。)
定額減税は
2024年に限って所得税を1人3万円、
住民税を1人1万円減税しようという制度です。
今日は所得税に限って話します。
所得税とは、
1月1日から12月31日までに得た所得に対して
かかる税金です。
毎月の給料では、
この給料で1年間働いたら
このぐらいの税額になるだろうと予測して、
仮に一旦天引きとなっています。
ですから、1年間経過した時点で
実際の税額とズレることになります。
このズレを調整するために
年末調整という制度があります。
年末調整では、
その人の年間所得税額を
計算するために必要な情報を
会社が本人より徴収して
正確な税額を計算し、
その差額を国に代わって
徴収したり還付したりする
ということを行っています。
ここまでが通常の制度の話です。
さて、本題の定額減税です。
この減税を、
6月支給の給与から開始してくれ
と国が言っています。
ちょっとした事例で考えてみましょう。
ある従業員がいます。
この方には奥さんとお子さんが1人います。
毎月の給料では5000円の源泉徴収がされているとしましょう。
(実務では毎月給料が変動するので源泉徴収額も変動しますが、
モデルケースとして見てください。)
この従業員の所得税の定額減税総額は
30,000円×3人(本人、奥さん、お子さん)
=総額90,000円になります。
さて、このケースでの減税はどのようになるのでしょうか。
まず、6月以降の毎月の所得税が減ります。
本来であれば5000円徴収されるはずだった
源泉所得税が0円になるので、
給料の手取りが5000円増えます。
6月支給~12月支給で
5,000円×7か月=合計35,000円
の減税がこの時点で終わっていることになります。
しかし、これだと減税額があと55,000円残っています。
この分に関しましては、
年末調整の際に減額できるだけ減額します。
この人の2024年の所得税額が
仮に60,000円だったとしましょう。
(5,000円×12か月=60,000円)
そうすると、年末調整の際に、
所得税総額60,000円-すでに減税した35,000円
=25,000円
を年末調整で減税します。
そうすると、本来源泉徴収して
国が従業員に変わって支払う分だった
所得税分を、従業員に支払うことができます。
これで60,000円の減税が完了しました。
しかし、この人が受けられる減税総額は
90,000円だったはずです。
この残りの30,000円はどうなるのでしょうか。
実はこの30,000円は、
市町村に対して請求して、
市町村から各従業員に
支払われることになっています。
これが、今回の定額減税の実務の全容です。
これね、会社にも負担を押し付けて、
市町村にも負担を押し付けているんですよね。
たった1年の減税のために、
経営者、給与計算担当者、市町村の担当職員、
税理士、社労士、給与計算ソフトの開発会社等を
巻き込んで、多大な負担を押し付けているんですよね。。。
これだけの事務負担なので、
どうせ年末調整で精算されるから
6月からの源泉徴収では減税せずに
年末調整だけで実務対応しよう
という会社の話もいろいろ聞いていました。
ところが、先日
「6月から減税しない会社は
労働基準法24条違反で刑罰に問う」
というお達し(脅し)が国から出ました。
労働基準法24条というのは、
「給料は毎月一定期日に全額を本人に直接通貨で払ってね」
という内容です。
この「全額払ってね」が出来ていないから
罪に問うというお達しでした。
いろんな考え方捉え方があると思いますが、
私はこの制度は本来国がやるべき事務作業を
企業に押し付けていると感じました。
ただでさえ、年末調整制度自体が
本来であれば本人が国に対してやるべき確定申告を
企業に押し付けていると感じています。
国が企業に負担を押し付けて、
企業が本来であれば
もっと稼ぐことに集中できるはずなのに
その力を阻害しています。
企業の負担を減らして
しっかり稼いでもらって、
たっぷり税金を払ってもらった方が
本当は企業も国もwin-winになるんじゃないかと
私は思うのですがね。
どうも国が企業の足を引っ張ろうとし過ぎだと
私は感じてしまいます。
あなたは定額減税制度、
どのように感じていらっしゃいますか?