雨雲の上はいつも青空

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お久しぶりです。

また、気づいたことや感じたことを、少しずつ書いていこうと思います。

 

 

「過去と他人は変えられない。自分と未来は変えられる。」

こんな言葉を聞いたことがある人も多いと思います。

 

ところであなたは、「過去は変えられない」という言葉をそのまま鵜呑みにして、それをまるで原則や常識のように信じて、全く疑ったこともないということはないでしょうか。

 

しかし、私はこう思うのです。

それは、

「過去は変えられない。だけど、過去に向き合う自分の心の態度は変えられる」と。

 

 

 

ずいぶん前の話ですが、こんなことがありました。

当時私は三十歳くらいで、一緒に暮らしていた祖母は九十歳を超えていました。祖母は足腰が丈夫で、とても健康でした。

ある日、祖母が、片側二車線のバイパスを横切っていたのを、その息子である叔父がたまたま目撃しました。

近くに歩道橋があるのですが、それを渡るのが大変ということだったようですが、「危ないし、事故が起きたら大変なことになるから絶対だめだ!」と叔父や家族みんなで注意しました。

 

しかし、後日また、祖母がバイパスを横切っているのを叔父が見つけました。それを聞いて、家族みんなで、さらに注意しました。

この時、注意したことを守らない祖母に怒りやイライラの感情、注意して従わせることに関心があったような気がします。

 

 

 

こんなことを、祖母が亡くなってずいぶん経ってから、妻と何気ない会話の中で笑い話のように話していました。

「いくら言っても聞かなかったよな」と。

 

「ところで、どこに出かけていたの?」と私が妻に聞いたところ、「刺身を買ってきていたんだよ。あなたに食べさせるために」という返事が返ってきました。

 

そういえば、片道二キロ以上あるスーパーに歩いて買い物にいって、背中に刺身を背負って帰ってくる。

 

そんなことを知らなかった私は、妻から、ばあちゃんが刺身買ってきてくれたからと夕飯に出されて、生ものがダメな妻は食べられないので、私だけが食べていたのですが、食後たまにお腹の調子が悪くなることがありました。

 

そこではじめて、そうか!と気づいたわけです。

 

真夏の暑い最中、バイパスを横切って、スーパーから刺身を買ってきて、家に着く頃には少し変わっていたのでしょう。

 

 

 

そんなことも思い出と笑っていたのですが、何で刺身だったんだろう?と振り返ってみると、妻が、「バイパスを横切るなと注意してから、おばあちゃんに頼まれて、年金を貰いに車で乗せて行ったり、その帰りにスーパーで刺身を買ってきていたんだよ」ということを後から知らされたのです。

 

それを聞いて、『あ~っ、俺は何て酷いことをしていたんだろう』と、言葉に詰まりました。

 

 

祖母は、もういい大人だった私の好きな刺身を食べさせたくて、暑くても寒くても、片道二キロ以上もあるスーパーまで出かけて買ってきてくれていたんだ。

それを、自分の言うことを聞かないと怒りを感じながら注意したり、お腹の調子が悪くなったのも祖母のせいにしていたのです。

 

今、思い返しても、涙が滲んでくると同時に、「悪いことをしたな」という気持ち、そして感謝と共に、「やっぱり、愛されていたんだな」と内側から満たされていくもので一杯になります。

 

 

 

 

 

 

 

過去は変えられない。

だけど、過去に向き合う自分の心の態度は変えられる。

 

 

あなたがもし、過去に対して、怒りや後悔、ネガティブな思いがあるとしても、そのすぐ傍に、有り難かったことや幸せだったこと、愛されていたこと、信頼されていたこと、大切に扱われていたこと、あなたを内側から満たす多くのことがあったことを、あなたに気づいてもらえる日が来ることを静かに待っているのかも知れません。