慌てて夫に電話しましたが、偶然家に着いていたので、直接訴えました。

まだ取ったかどうか半信半疑の状態でしたが、とりあえず責めるというより困っているーという態度を前面に押し出してみました。

夫はいつもどおりしらばっくれていましたが、果たしてそれが演技なのかまだ怪しい状態でした。

すると私の方が情けなくて泣けてきてしまって(夫の浪費癖・盗み癖がなかなか治らないことで)、つい涙を流してしまいました。

夫は、

「泣くほど現金が無いのか。現金が必要ならカードローンで借りてこいよ!」

それ!
そーゆーとこ!

「とりあえず俺は夜の走りに行ってくるから。よく探してみろよ、絶対あるから」

私はまだ夫を疑っていました。

いつまで演技を続けるんだろう。
でもとりあえず現金が封筒ごと無くなったのは間違いない。

夫が走りに行っている間に更に探しましたが、ありません。

夫の車を調べに行きました。

そのタイミングで走りから帰宅した夫と鉢合わせました。

私が本気で疑っていることに、夫も気が付いたようでした。

夫の態度がみるみる変わり、ものすごく怒り始めました。

「やってないって言っているだろ!てめぇふざけんなよ!」

私も引けないので、

「今まで盗んだりするから疑うんでしょ」

と返します。

私が引かないことで夫がますます怒り始め、 

「出て行く」

というのが始まりました。

私が、

「とりあえず話し合おう。外で話そう。子供の前だから」

車で話しましたが、取っていないの一点張りの夫でした。

疑われることに苛立っていた夫は、

「もうめんどくさいから離婚して」

と言い始めました。

「お前なんかもう嫌だよ。嫌いだよ。」

勢いよく荷物をまとめ始めて、娘に離婚すると言い放ちました。

6歳の娘は号泣でした。

「パパ!いや、行かないで!離れ離れに暮らすの絶対に嫌ーーーー」

夫はそれでも出て行こうとするのでした。

私は泣きながら傍観してしまいました。

夫がここまで私を嫌がっていたなんて、と、夫の感情に気が付いていなかったのでした。

なので、ショックでした。

とりあえず娘が号泣しているのに、出て行こうと夫を引き止めました。

「ずるいよ…」と。

夫は目の色を変えて私に言いました。

「お前が謝ればいいんだよ!俺を疑って申し訳ありません!って」

ちょっと驚きました。

え?それだけ?

「娘が可哀想なので謝ります。ごめんなさい。」

「はい、じゃあ出て行きません」

私は晩御飯の続きを作り始め、長男の離乳食をテーブルに置きました。

夫はお酒を飲み始めました。

娘は夫の前に座って泣いていました。

私も涙を止められなくて、とりあえず泣いていました。

夫が長男に離乳食をあげ始めました。

その行動にちょっと驚きました。

さっきキレて離婚するとか言っていた人の行動か?と。

夫と娘に晩御飯を出し終えて、私が長男に離乳食をあげていました。

するとどうしようもなく涙が溢れてきて、その姿を見て夫が、

「キモい」「被害者ヅラすんなよ」」「泣くなら1人で泣けよ」「メンタル弱いんだよ」「メンタル弱い奴が、俺と結婚したことが間違いなんだよ」「別に俺がニートなわけじゃないんだから、心配することじゃねぇだろ」「金金金ってうるせぇな」「だからお前はダメなんだよ」「1年間も育休なんかしてるから金が無いんだろ、働きに出ろよ」「最低野郎」

とブツブツ言っていました。

そして少し酔っ払い始めた夫はまた娘に、

「離婚するから。どっちについていくかは自分で決めな」

と言いました。

娘は大号泣、

「でもこれはパパの気持ちの問題だから。ママが離婚したくないって言っても無理だから」

と娘に言うので娘はますます泣いて、

「離れ離れになんて暮らしたくない!」

と必死で訴えるのでした。

私は胸が痛くて痛くて…

涙がとめどなく溢れてきて…

娘は外に煙草を吸いに行く夫にもついて行くのでした。

私はそんな娘を尻目に、長男をお風呂に入れました。

涙を流しながら、自分を悔しく思いました。

結婚して7年が経とうとしています。

全て知っていながら、娘が小さいうちに別れなかった自分を心から悔やみました。

こんなに大きくなってから離婚すると、娘はなんでも分かってしまうんだなと思いました。

後悔だらけでした。

とりあえず頭の中でずっと今後のことを考えていました。

シングルマザーになるには、私は弱過ぎる。

強くならなくちゃ。

すぐ泣いちゃうからダメだ。

強く逞しくならなくちゃ。



結局、数時間後に夫が「怒ってごめん」と謝ってきました。

「俺は本当に盗んでいないから、疑われて腹が立った」と言っていました。

でも私は、これからのことを考えるいいきっかけなんだと思いました。