”河北新報”より↓
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20130108_01.htm
復興へともに歩む みやぎ寄り添う人の輪(7)放射線、悩む母子支援
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◎登米/日本の森バイオマスネットワーク(栗原市)
真新しい白木の家に子どもたちの明るい声がこだまする。
「鬼ごっこしたり、ピアノ引いたり、楽しいよ」。じっとしているのがもどかしいとばかりに、家じゅうを駆け回る。
アウトドアメーカー「モンベル」が昨年夏、被災地で暮らす家族向けにと、登米市内に建てた保養宿泊施設「手のひらに太陽の家」。管理運営は栗原市のNPO法人「日本の森バイオマスネットワーク」が当たる。7月21日の開所以来、11月末現在で計205人、64家族が利用した。
「最初は普通に接しようと構えていましたが、今は自然に応対しています」。子どもたちの相手をしていた事務局長の唐沢晋平さん(28)が笑顔で話す。
利用者の大半を占めるのは福島県内在住の親子。福島第1原発事故による被ばくの不安から、子どもを外で遊ばせることをためらう親は少なくない。「太陽の家」は子どもたちが放射線の影響を気にせず、好きなだけ羽を伸ばせる場として利用されている。
福島市から男児2人と来た女性(37)は「今回でもう4回目の訪問。子どもだけでなく母親同士でも話しができ、ストレス解消になっています」と施設に感謝する。
放射線に対する見解の違いから母親仲間や家族の中で孤立してしまい、悩みや不安を抱える母親も多い。唐沢さんらスタッフはそんな母親たちの思いに耳を傾け、医師や専門家を招いて健康講座を開くなど不安解消にも取り組む。
唐沢さんらの活動に地域も協力を惜しまない。「とよま北上川かっぱの会」(佐々木正紘会長)は利用者を対象とした川下りなどの自然体験を主催するほか、「太陽の家」が開くさまざまなイベントを支援する。
「かっぱの会」事務局長の新田耕也さん(66)は「子どもたちの声にこちらが励まされる。昔の遊びを教えてあげたい」と意気込む。4月のサクラの時期には、船での北上川クルーズを計画中だ。
「まだ構想中ですが」と「太陽の家」所長の細木典子さん(53)が打ち明ける。頭の中にあるのは福島県内の学校の1クラス全員を丸ごと保養させる計画。「1週間宿泊できれば、子どもたちが体内に取り込んだセシウムのかなりを体外に排出できると思うんです」
唐沢さんらの地道な取り組みは、原発事故の影響に悩む母子の大きな支えになりつつある。
(若柳支局・三浦康伸)
