”被災地切なる一票 あす衆院選投票” | Love & Peace 2011

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3.11
あの日から変わったこと
変わらないこと
先送りできる問題なんてひとつもない!


”河北新報”より↓

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/12/20121215t71035.htm

被災地切なる一票 あす衆院選投票

少し離れた場所で候補者の声に耳を傾ける。仮設住宅で2度目の冬、被災者の一票が動きだす=14日、気仙沼市(写真は一部加工しています)

 東日本大震災からの復興と被災者の生活再建が加速するかどうか。新たな政権の枠組みを決定づける衆院選は16日、投票日を迎える。政治に期待することに疲れた被災地でも、有権者はそれぞれの一票に地域再生への願いを託そうとしている。

◎この浜見てほしい
 「地盤沈下で満潮のたびに水浸しになる浜を見てほしい」
 宮城県女川町尾浦でカキやホヤを養殖する男性(70)は、復興の具体策を語らない政見放送にいらいらを募らせた。「見れば、われわれが何に困っているかだって分かるだろうに」
 津波で家を失い、石巻市のみなし仮設住宅から1時間以上かけて尾浦漁港に通う。選挙カーは近くの国道を何度となく駆け抜けたが、人影もまばらな浜に立ち止まる候補はいなかった。
 漁業の復興と住宅再建。自分と家族、漁師仲間が直面する問題に寄り添ってくれるのは誰だろう。投票先は決めかねている。

◎実行力見極めたい
 気仙沼市中心部の仮設商店街「南町紫市場」には、この11日間、選挙区のほとんどの候補が訪れ「漁業基地として繁栄を取り戻す」「日本一の港町を復活させる」と似通った演説を繰り返した。
 パン店経営の男性(52)は「問題はどう実現するかだ。実行力を見極めて投票する」と言う。
 周囲には解体も進まないまま、被災した事業所や商店の建物が残る。夫とコロッケ店を営む女性(53)も「全然、復旧が進んでいない。威勢のいい言葉より、実行力とリーダーシップが大事」と語る。

◎農業将来像心細く
 宮城県山元町の農業法人役員の男性(35)は「本当は選挙に関心を持たないといけないが、今は自分たちの生活再建が先だ」と言う。
 震災で牛橋地区にあった自宅は全壊し、当時5歳の長女を亡くした。みなし仮設に家族5人で暮らしながら、イチゴやトマトの栽培に励む。
 自分たちで作ったイチゴを世界各地で販売するのが夢。日本も環太平洋連携協定(TPP)の交渉に参加すべきだと思っている。でも選挙区内では農業者票を意識して、旗幟(きし)を鮮明にする候補はいない。
 中央と地方で言うことが異なる政治も問題だが、各候補も「国際的なビジョンがなくて大丈夫かな」と心細くなる。

◎消費税再起の重し
 大船渡市赤崎町の仮設住宅で暮らす無職の女性(77)は、いずれ高台に自宅を再建したいと考えている。気掛かりは消費税が2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げられることだ。急がなくては、どんどん負担が増してしまう。
 ことし1月、野田佳彦首相が仮設住宅の視察に訪れた。優しい笑顔で、握手もしてもらった。人柄の良さを感じたが、今は複雑だ。
 「国の財政も大変だろうが、今の私たちの生活だって本当に大変。せめて、被災者には特別な措置を考えてほしい」


2012年12月15日土曜日