がれき撤去作業で農地の表土消失…営農に支障も
東日本大震災で津波被害を受けた宮城県・仙台平野の農地で、流れ込んだがれきの撤去作業により、表土が削り取られる被害が広範囲に出ていることがわかった。
多くの養分を含む表土は回復に時間がかかるため、農業復興の新たな障害として懸念されている。国や県は調査に乗り出す方針だ。
農林水産省によると、仙台平野では約9600ヘクタールが浸水。これは宮城、岩手、福島3県の農地の浸水面積の4割以上を占める。仙台市や亘理町など沿岸5市町では、昨年末までに約5000ヘクタールにわたって重機でのがれき撤去が行われた。
約10メートルの津波が押し寄せた仙台市若林区荒浜では、がれきはほぼ片づいたが、表土が15センチ以上削り取られた農地があちこちに広がっている。農業組合の代表を務める佐藤善一さん(63)は「がれきを撤去してくれたのはありがたいが、大切な表土がなくなってしまった」と頭を抱える。表土は土地ごとに性質が異なり、他の土が混ざると収穫に影響するといい、「仮に耕作放棄地から土をもってきても元の状態に戻すのは大変」と佐藤さんは話す。
(2012年1月7日17時38分 読売新聞)