なぜビジネス書は間違うのか ハロー効果という妄想/フィル・ローゼンツワイグ
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ビジネス本を読む人が本に求めるものは何でしょうか。

事実に忠実である事よりも読者が納得がいくような筋書きとなっているものを多くの人は好むと述べる、この本では企業にフォーカスした事例を2つ(シスコシステムズ、ABB)、ビジネス本にフォーカスした事例(エクセレント・カンパニー、ビジョナリー・カンパニーなど)を取り上げながらビジネスは科学ではないので確実性や秩序を求めても無理であると断言する。

極論を言えば正解や How-Toなどは存在せずせいぜい確率の問題でしかないという事になる。成功したとされる企業に後付で理由をつけるのは容易いが、その通りにやったところで成功するのかは誰にもわかりはしないし、そもそも成功したとされる会社が未来永劫、成功し続ける事が非常に難しいとも述べる。正しい意志決定が好ましい結果をもたらすとは限らないし、好ましくない結果が判断ミスという訳でもないというだと。

ならばビジネス本を読む必要などないとなってしまうが著者はビジネス本自体を否定してはいない。あくまでも過去の批判ではなく、ビジネス本を読む際の心構えとしてまとめている。筋書き(ストーリー)がある事は非常に魅力的であり、読者を勇気づけるものであるとも述べている。現実を忘れる事がなければ良いという事だろう。

ハロー効果の「ハロー」は後光という意味だそうですが心理学を学んだ身内に聞いた限りは記憶にあるという事なのでまぁまぁ知られている言葉ではないかと思います。この本では「企業の全体的な業績を見て、それをもとにその企業の文化やリーダーシップや価値観などを評価する傾向」と定義している。同じ事をしていても業績次第で評価が変わるって事です。

まぁその通りと思いながらも地図を求めてさまようってのが現実かな・・・と思いながら読み切った本でした。