もし天に太陽という火があるなら、地にはどのような火があるのでしょうか。 それこそが「丁(ひのと)」です。ひのえが陽の火であるなら、ひのとは陰の火です。 小さくは火種やろうそくの炎から、松明や溶鉱炉、さらには溶岩に至るまで、 地上に存在するすべての火はひのとなのです。太陽(ひのえ)が万物にエネルギーを与えるなら、 闇を照らし、鉱物を溶かして役立つ金属へと変える変化と革新は、 ひのとが担っているのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丁が日干にある場合、華やかな火ではありませんが、実用的な変化革新のエネルギーを持つ人だと考えるべきです。

 

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小さな火でも二つあれば松明となり、三つあれば溶鉱炉の熱気があると考えます。

 

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もしろうそくの火である丁のそばに、太陽である丙があれば、どちらの光が強いでしょうか。もちろん丙です。したがって、ろうそくの光は目立たず、「丁」の存在感は弱まります。専門用語では「丙奪丁光(へいだつていこう)」と呼び、丙が丁の光を奪うと理解されます。しかし、寒い冬に生まれた丁であればどうでしょうか。他の命式に火にあたる字や、燃料となる木にあたる字がなければ、太陽に頼るしかありません。生き残ることが優先されるため、太陽を追従しますが、不満は大きいでしょう。

このようにして、命式を通じて主人公の基本的な性格を推測するのです。

 

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丁のそばに木の気があれば、それは薪となります。松(甲)は藤や草(乙)よりも良い薪です。しかし甲がなければ乙でも薪として使います。その場合、自分を助ける対象への感謝は少なく、いつでも別の対象に助けを求めたいという本心を持つでしょう。

もし丁の両側に薪となる甲があるなら、火力が強すぎて問題がないかを考慮しなければなりません。もちろん残りの五つの空欄の文字の組み合わせまで分析してこそ、有利不利を解釈できます。

 

本日は地の火、「丁(ひのと)」について学びました。お疲れさまでした。

今回は火について学びます。 天の太陽陽の火とされ、十干では「丙(ひのえ)」と呼ばれます。 太陽は外部からのエネルギー供給なしに絶えず光を放つ存在であるため、情熱的ですが、関心が早く冷める傾向があります。 エネルギーが強いため、家に閉じこもっていると息苦しく、どうしても社会生活を営む必要があります。 天に浮かぶ存在であるため、何かを隠すことは難しいです。 率直な性格は長所ですが、心の内が容易に表に出てしまうこともあります。 天に存在する特徴は、「丙」の主人公を理想主義者にすることもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日干が丙の人を見ると、 「天に存在し、万物にエネルギーを与えるので周囲には欠かせない人だが、本人は地上に降りることはできないのだろう」 という思いが湧いてきます。このように属性や位置を思い浮かべて想像してみると、四柱推命の解釈に早く慣れることができます。

 

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上の二つの例のような場合、天に太陽が二つあることはあり得ないので、「エネルギーがより強い」あるいは「理想主義的な傾向がより強い」と解釈します。 しかし、丙が二つ以上存在することによって生じる特徴についても考える必要があります。月に太陽がもう一つある場合、主人公である日干の前に丙が一つ加わることになります。 火の力が強まるのは事実ですが、別の太陽が先に世に現れるため、自分ではなく他人が称賛される状況として解釈できます。時に丙がもう一つある場合、強まった火の力を活用し、自分が代表として称賛されます。 良いときも代表、悪いときも代表なのです。

 

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上の事例では、天に太陽が三つも存在しています。理想主義的な傾向がさらに強まります。 丙が三つある方を相談したことがありますが、天上の強烈な太陽のように人物は優れていて、話も上手でした。 大企業の重役としてオーナーを補佐する立場にあり、理想主義的な性格から信念に基づく発言をよくしていました。 率直な意見表明に共感したオーナーの信任を得て出世しましたが、後には正直な言葉がオーナーの気分を害し、退くことになりました。太陽が三つある場合、立派な人物として重用されることもありますが、自分を曲げず現実の中で理想を追求する特徴も見られます。 四柱推命では長所と短所は別々のものではありません。ひとつの特徴が状況によって長所にも短所にもなるという点を覚えていただき、「丙」に関する本日の学習を締めくくります。

 

今日も大変お疲れさまでした!

「乙」とは、曲がった木や草、蓮の花など、柔軟な植物を象徴しています。「甲(きのえ)」が「陽の木」であるのに対し、「乙」は「陰の木」にあたります。よく契約書などで使われる「甲乙関係(主従関係)」という言葉がありますが、これは単に十干の順番(甲・乙・丙・丁…)に従ったものに過ぎません。しかし、買い手が「甲」で供給者が「乙」となる場合、その漢字が持つ意味と現実が妙に合致することがあります。まるで、松の木のように堂々と立つ顧客の前で、腰を低くして対応する姿が、しなやかな「乙の木」のように見えるからです。

 

では、果たして「甲」は常に優れており、「乙」は常に劣っているのでしょうか?

 

実は、激しい雷雨や嵐が吹き荒れても、決してポキリと折れないのは「乙」の方です。また、顧客にサービスを提供する専門職の方々も、契約書の上では「乙」と表記されますが、彼らは高い専門性を持つ高所得者層です。たとえ買い手である企業が「甲」であっても、その組織の中にはまた別の「甲乙関係」が存在しているのではないでしょうか。「甲であれば常に良く、乙であれば常に悪い」ということはありません。そして、誰かが一生「乙」のままでいるという決まりもありません。この視点を持つだけでも、乙の本質を十分に説明できていると言えますが、ここからさらに詳しく「乙」の世界を紐解いていきましょう。

 

乙の人は柔らかいが、生命力の強い性格を持っています。乙も場合によっては大きな成功を収めることができます。曲がった藤の一本や草の一株は切りやすいですが、いくつも集まって束になると容易には折れません。藤が大きな松に絡みついて登れば、少ない力でも高くまで伸びることができます。

 

 

すべては相対的であるというのが、陰陽五行の真理です。先ほど、甲は春や夏に生まれると花を咲かせ、秋や冬に生まれると切られて柱として使われると述べました。乙の場合も、春や夏に生まれれば花を咲かせる点は同じですが、秋や冬に生まれた際には、大黒柱の候補としてはやや物足りません。藤や草を切って宮殿の支柱にするのは難しいからです。さて、乙の性格については理解できたと思いますので、ここからは四柱推命における乙の姿を見ていきましょう。

 

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日干が乙の人は、曲がった藤の木や柔らかな草として生まれてきた存在です。周囲に水があれば、蓮の花にたとえられることもあります。核心は「外柔内剛」の性格であり、生存力は甲よりも強いという点です。ただ、単独でいると目立ちにくいだけなのです。

 

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このようにして蔓が構成されれば、決して弱くはありません。人前で自分を主張することもできます。乙が月にある場合は他者を、時にある場合は自分をより強く打ち出すという程度の違いなのです。

 

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このように乙が三つも揃えば、もはや弱々しい植物とは言えないほどに大きく強い勢力を持つことになります。甲だけで三つ構成された森よりも、生存力は乙の方が強いのです。なぜなら、甲はより強い勢力が現れると、結局は折れてしまうからです。

 

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ここで乙は、甲という松に絡みついて登ることで、むしろ容易に望むことを成し遂げることができます。甲が月にある場合は、甲を前面に立てるため保護を受けながら登ります。甲が時にある場合は、自ら松に絡みついて登る姿が露わになり、ときには攻撃を受けることもありますが、それでも甲を利用して素早く木の頂上に到達します。専門用語では「藤蘿繫甲(とうらけいこう)」と呼ばれます。乙である藤が蔓を作り、甲である松に絡みついて生きるという意味です。

 

 

 

もちろん、これらの例は残りの空欄にどの文字が入るかによって、潜在的な可能性にとどまる場合もあれば、実際に発現する場合もあります。しかし、一部の文字だけでも現れるすべての可能性を予測しておかなければ、残りの文字を分析する際に実際の状況を正確に説明することはできません。ここまでで乙について学んできました。

「甲(きのえ)」という文字は、十干十二支(じっかんじゅうにし)の一番最初に来る文字です。漢字の成り立ちを見ると、木が芽吹いて地上に現れる姿、あるいは木が真っ直ぐに伸びて生い茂る様子として理解することができます。多くの四柱推命の理論書では、「甲」をの木に例えます。真っ直ぐに成長し、旺盛な生命力を見せるその姿は、王、大将、リーダーであると言えるでしょう。つまり、先頭に立つことや主導することを象徴しています。 そのため、甲の日に生まれた人はリーダーシップの資質があると考えられています。 当然、そこには「強さ」も備わっています。しかし、強靭な松の木は斧で切り倒されたり、落雷によって折れたりする可能性があることも忘れてはなりません。いかなる特徴も、常に良いわけではなく、また常に不利に働くわけでもありません。ただ、状況によって異なるだけなのです。

 

 

「甲(きのえ)」として生まれたということは、年月日時を四柱八字(しちゅうはちじ)の八文字に置き換えた際、「日干(にっかん)」、すなわち生まれた日の「天干(てんかん)」に当たる文字が「甲」である場合を指します。 以前、生まれた日の天干である「日干」が「自分自身」を表すと説明しました。生まれ持った「命(めい)」に該当する八文字のことを「原局(げんきょく)」とも呼びます。狭義の四柱(四柱八字)はこの「原局」を指し、広義の四柱は「原局」に大運(たいうん)や歳運(せいうん)などの巡ってくる運勢を総合したものを指します。これからは、としての八文字「原局」と呼ぶことにします。「甲」という文字は、原局の観点から次のように説明することができます。

 

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日干(にっかん)が「甲(きのえ)」ですので、この命式の主人公は「甲」として生まれた人です。もし命式の中に他に「木」の気がないのであれば、たった一人でリーダーシップを発揮し、世の中を切り拓いていくことになります。そのため、心の内には少し寂しさも生じますが、それを表に出すことはできません。大将やリーダーを意味する「甲」が自分自身を象徴する日干であるため、自ずとリーダーらしい振る舞いを目指そうとするからです。一般的に、「甲」として生まれた松の木には、二つの生き方があります。春や夏に生まれたのであれば、花を咲かせることが自然の摂理です。花は五行において「火」に属するため、命式の中に「火」の気があるかどうかを確認する必要があります。一方、秋や冬は種をまいたり花を咲かせたりする季節ではありません。むしろ、斧で切り出され、宮殿の「大黒柱(だいこくばしら)」として用いられる方が望ましいと言えます。これが、命式の中に斧に該当する「金」の気があるかどうかを見るべき理由です。

 

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上記の原局(げんきょく)を見てみましょう。自分の隣に「甲」がもう一つあるので、我(が)が強いのではないかと想像してみます。同じ文字が隣り合っているため、兄弟がいる可能性もあります。一人で仕事をするよりも、職場で同僚と協働(きょうどう)して成果を出したり、事業をするのであれば共同経営の機会があったりします。ここでは、一人で働くのが悪いとか、共同経営が良いといった価値判断は排除します。ただ、そのような環境に置かれる要因が原局にすでに存在している、という程度に理解すれば十分です。もちろん、一人で働くのに及ばないような協働や共同経営も存在します。吉凶(きっきょ)の判断は、全体の八文字と10年単位の大運(たいうん)、1年単位の歳運(せいうん)などを総合的に判断して決定します。

 

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上記の原局(げんきょく)を見ると、同じ文字が他にもありますが、その配置(はいち)が異なります。四柱推命(しちゅうすいめい)では、年・月・日・時の順に外部の気が入ってくると考えます。月の天干(てんかん)に「甲(きのえ)」がある場合は、外部の気が良かれ悪かれ、自分の隣にある文字が先にそれを受け止めます。一方、上記のように時の天干に「甲」がある場合は、外部の気を自分が先に受け止めることになります。運気が良い時は先に受けるのが望ましく、悪い時は後から受ける方が良いでしょう。このような構成になると、いかなる場合でも自分がもう一つの「甲」を引っ張っていくことになります。もちろん助けられることもありますが、「自分がもう一つの甲を養っている」という意識が強くなります。良く言えば責任感ですが、別の側面から見れば、それは自負心(じふしん)や被害意識(ひがいいしき)へとつながる可能性もあります。

 

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「甲(きのえ)」が三つあるので、森を成すほどです。自分を表す「甲」が中央に位置しており、同僚や共同経営者たちを中心で統制・管理できることを意味します。自分が森の中心にいる姿であるため、権威的な傾向(けんいてきなけいこう)が表れることもあります。

 

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「甲(きのえ)」が三つありますが、右から数えると自分は順番として一番最後になります。悪い運気が巡ってくる時は、前にある「甲」たちが防いでくれるため自分の被害は少なくて済みますが、財運のように必要な運気が巡ってくる時は、他の人たちがすべて手にした後の残り物だけが自分に回ってくるという形になります。当然、主人公は松の木である「甲」として生まれたわりには進取の気性に欠け、もどかしい気持ちも生じます。森の端に位置しているため、外の世界がどのように動いているのかよく分からず、よく知らないまま世の中を憶測(おくそく)してしまうこともあります。他の人々が自分よりも犠牲を払ったことには気づかず、他人が自分の良いものを先に持っていってしまうと、寂しさや不満を感じる心が生じる可能性もあります。

 

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このように、「甲(きのえ)」という文字がどこに、いくつ配置されているかによって意味が異なります。特に、主人公の心(日干)をしっかりと見極めることが重要です。四柱推命において、主人公の生まれ持った性格を把握することは当然大切ですが、それに劣らず重要なことがあります。それは、原局(げんきょく)の性格を理解した上で、特定の時期の運勢において、主人公の考えや行動がどのような方向へ向かうのかまで分析しなければならないということです。そうしてこそ、必要な時に自分自身や他人を振り返ることができる能力を備えることができます。最後の例のように、年・月・日がいずれも「甲」である人が、ある年に再び「甲」の運気に巡り合った時、どのようになるかを考えてみてください。それは「甲」とはどのような存在なのかを理解する上で、非常に良い復習になるはずです。本日もお疲れ様でした。

 

 

『命』と『運』が四柱推命における概念的な理解だとすれば、次は何を学べば実際に鑑定ができるようになるのかを知る必要があります。先に述べたように、生まれた年・月・日・時を十干十二支の計8文字に置き換えます。前回の記事(Day 2)で挙げた例では、『丙午(へいご/ひのえうま)年、辛卯(しんぼう/かのとう)月、壬午(じんご/みずのえうま)日、戊申(ぼしん/つちのえさる)時(陽暦2026年3月9日 午後4時)』がその人の四柱八字となります。

 

 

十干(じっかん)は「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類で、四柱八字(命式)の上の行に配置されます。十二支(じゅうにし)は「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12種類で、四柱八字の下の行に配置されます。

 

十干は表の上の行にあることから、空にあるものに例えて「天干(てんかん)」、十二支は表の下の行にあることから、大地にあるものに例えて「地支(ちし)」と呼ばれます。生まれた「年」の天「干」である丙(へい)は年干(ねんかん)となり、生まれた「年」の地「支」である午(ご)は年支(ねんし)となります。

 

 

天干

甲, 乙, 丙, 丁, 戊, 己, 庚, 辛, 壬, 癸

地支

子, 丑, 寅, 卯, 辰, 巳, 午, 未, 申, 酉, 戌, 亥

 

上記の例の主人公は、十干(じっかん)では「丙・辛・壬・戊」の四文字を使用し、十二支(じゅうにし)では「午・卯・午・申」の四文字を使用しました。

 

 

ここで、非常に重要な概念を紹介します。生まれた日の天干である「日干(にっかん)」を、四柱推命における主人公の 「自分(私)」と見なすということです。もちろん、八文字すべてが自分自身の姿ではありますが、その八文字の中でも特に自分自身を代表する文字を一つ定め、それを基準点として他の文字との相互関係から「命(めい)」を理解するのが、四柱八字分析のアプローチです。

 

こちらの例の主人公は、日干(にっかん)が「壬(みずのえ)」です。後ほど詳しく学びますが、この文字は川や海のように「流れる大きな水」を意味します。隣にある他の文字が金属であれば水と金属の関係を、他の文字が火であれば水と火の関係を考えるといった形で八字を理解していきます。この段階では、水の周りに火が多すぎると、水が火を消すどころかえって負担を感じてしまったり、土が適度な堤防になれば水の進むべき道をガイドしてくれたりする、といったレベルで分析を行います。まずは自然界の中の一つの存在として理解した上で、社会的な存在として分析していくのです。「自分」という人間が水であるなら、火に該当する人は自分にとってどのような意味を持つのか、といった風に理解していきます。

 

このように進めるためには、まず自然を構成する要素には何があるのか、それぞれの特徴はどのようなものかを知る必要があります。そうすることで、自分を象徴する自然の要素と、周りの他の要素との相互作用を理解できるようになります。四柱推命は自然を観察することから生まれた理論です。自然は光と影(明暗)を基本とし、五つの要素で成り立っていると考えます。これが「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」です。

 

陰(いん)と陽(よう)は影と光(暗闇と明るさ)を意味し、五行は火、水、木、金、土です。五行の意味を理解した後は、五行同士の関係を学ぶ必要があります。その関係は大きく「対等な関係」、「助け合う関係」、「コントロールし制圧する関係」に分けられます。AはBと対等であるか、AはBを助けるか、あるいはAがBを制圧して手に入れるか、ということが世の中におけるあらゆる関係性の原理であるということです。 よく考えてみれば、その通りだと思いませんか?Aが木でBも木であれば互いに対等であり、Aが水でBが木であればAはBを助けることになり、Aが木でBが斧であればBはAを制圧することになります。このような自然界の特徴を人間に当てはめることで、社会的な関係へと拡張されていくのです。

 

陰陽五行(いんようごぎょう)を理解した後は、十干十二支を陰陽五行の枠組みの中で理解する必要があります。陰陽五行を抽象的な属性と捉え、それを現実の中に具現化した実体が十干十二支である、というのが四柱推命の概念です。例えば、甲(きのえ)は木(もく)を意味しますが、その中でも陽(よう)の木を指し、丑(うし)は土(ど)ですが、陰(いん)の土を指す、といった具合です。

 

私たちが会話で使う「単語」は、話し手が表現しようとする意味を込めて伝えるための器です。つまり、社会的な約束事として、その単語の本来の意味が何であるかを共有しているに過ぎません。例えば「나무(ナム)」という韓国語の単語は、韓国人には馴染み深いものですが、韓国語を知らない日本人にとっては、どんな意味なのか見当もつかない見慣れない言葉です。「나무」という音を聞いても、連想するものは何もないでしょう。

 

四柱推命も同様です。概念的なレベルの陰陽五行を、自然や社会に具体的に表すための表現ツールが必要です。それがまさに十干十二支です。ある学者は、陰陽五行は骨組みだけの人間のようなもので、表情もなく一人で立つこともできず、したがって動くこともできないと言いました。その一方で、陰陽五行を十干十二支として具現化すれば、表情のある人間の姿、動き回って活動する自然や社会の中の個体になると言いました。十干十二支で表現してこそ、四柱の細かな説明が可能になり(微視的分析)、一幅の風景画のように人生全体を描き出すこともできるため(巨視的分析)、一人の人生を構造的に把握することができるのです。

 

十神(じゅうしん / 通変星):社会的存在としての人間

 

自然界の一つの個体として四柱(命式)を理解するといっても、私たちが実際の木や水であるわけではありません。社会的な動物である人間なのです。無病息災で長生きすることも重要ですが、お金や名誉、愛など、喜怒哀楽を生み出す関心事についても見ていかなければなりません。そのため、「自分」を取り巻く他の文字との関係10種類の社会的タイプに分け、それを「十神(じゅうしん)」と呼びます。この十神を通じて十干十二支を解釈した結果に、社会的な意味を付与していくのです。

 

もう一度、先ほどの四柱の事例を見てみましょう。陽暦2026年3月9日午後4時生まれであるこの人の四柱八字、それぞれの文字に記された「偏官(へんかん)」、「正印(せいいん)」、「正財(せいざい)」などが十神(じゅうしん)です。例えば、偏官(へんかん)はいわゆる「官運(かんうん)」と呼ばれる組織運や名誉運を意味します。その中でも、個性が強く権威のある組織における名誉運を指します。正印(せいいん)は文書運や学問運などを意味する運気です。正財(せいざい)は固定された収入、つまり給料のような安定した金銭運を指します。このように10種類の社会的意味で十干十二支を解釈することまで学べば、ついに四柱八字を読み解くことができるようになります。ここに大運(たいうん)の二文字と歳運(せいうん)の二文字、すなわち「運」が、生まれ持った八文字である「命」と相互作用することを学べば、特定の時期における吉凶禍福まで理解できるようになります。

 

これまでにお話ししたことが、これから学んでいく内容の大きなテーマであり、それぞれのテーマについて深く掘り下げていくことが、今後の学習内容となります。今日お話しした内容は決して簡単ではなかったと思いますが、最後までお読みいただきありがとうございました。お疲れ様でした。

前の記事で五行について触れた際、今回の記事では五行を「陰」と「陽」に分けて見ていくとお伝えしていました。しかし、本来の順序としては五行よりも「陰陽」が先です。世界の根源といえる「太極(たいきょく)」が二つに分かれ、「陰(いん)」と「陽(よう)」になります。そして、この陰陽がさらに五行である「木・火・土・金・水」に分かれるというのが「陰陽五行説」の理論です。「木」と「火」は温かい「陽」の気、「金」と「水」は冷たい「陰」の気であり、「土」はその中立を守るものとされています。陰陽が五行に分かれる一方で、五行もまた再び陰陽に分類され、「陽の木」や「陰の木」といった形でもさらに区分されます。

 

 

 

 

ここで少し予定を変更して、五行を陰陽で分けた個々の要素について学ぶ前に、まず「四柱(しじゅう)」の構成要素について確認しておくのが良さそうです。四柱推命を学ぶ目的が、自分や周りの人々の運勢を理解し悩みを解決することにあるのなら、四柱がどのような構造になっているのかを先に知った方が、より楽しく学べるからです

 

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四柱の構成要素

 

四柱とは一体何で、どのようにして人を理解し、未来への備えを助けることができるのでしょうか。人の四柱を理解するためには, 何を学ぶ必要があるのでしょうか。四柱推命では、生まれた年・月・日・時が人生の核心的な情報であると仮定します。この情報は, 私たちに馴染みのある「甲・乙・丙・丁…」や「子・丑・寅・卯…」を合わせた22個の漢字, すなわち「十干(じっかん)」10個と「十二支(じゅうにし)」12個に置き換えることができます。これらの文字の間の関係を理解すれば、その人の人生が見えてくるというのが四柱推命の核心です。

 

したがって、四柱分析の第一歩は, 生年月日時の情報を「十干十二支(じっかんじゅうにし)」に変換することです。これを助ける本を「万年暦(まんねんれき)」と呼びますが、過去と未来の数十年にわたるカレンダーを整理した本だと考えれば分かりやすいでしょう。最近では、インターネットやアプリでも「万年暦」を簡単に利用することができます。ある男性が陽暦2026年3月9日午後4時に生まれたと仮定し、この情報を万年暦で確認すると、次のような情報を得ることができます。

 

 

 

 

万年暦(まんねんれき)を見ると、まず多くの漢字が並んでおり、「偏官(へんかん)」や「正印(せいいん)」といった見慣れない言葉も出てきます。漢字が並び、用語も馴染みがないため、最初は難しく感じるかもしれませんが, それは初めてだからに過ぎません。必ず覚えるべき漢字も「十干十二支(じっかんじゅうにし)」の22文字だけです。この表の見方さえ分かれば、四柱(しじゅう)を解釈することができます。

 

命: 四柱八字

 

上の表を見ると、年・月・日・時の下に、それぞれ縦に二つの漢字が並んでいます。生まれた年の下にある「丙午(ひのえうま)」という文字は、この四柱の主人公が丙午年(午年)に生まれたことを意味します。四柱推命において、一年の始まりは新暦の1月1日でも、旧暦の1月1日でもありません。「立春(りっしゅん)」が一年の始まりです。毎年の初めに、テレビなどで今年は「辛丑(かのとうし)の年だ」「壬寅(みずのえとら)の年だ」といった話を耳にするかと思います。このように、二つの文字で生まれた年を表現するのです。

 

同じ方法で、月・日・時にも二つずつ漢字が割り当てられます。このように漢字二つが縦に配置された姿が、まるで四つの柱のように見えることから、柱を意味する「柱(ちゅう)」という字を使って「四柱(しじゅう)」と呼びます。漢字が全部で八つあるため、「四柱八字(しじゅうはちじ)」とも言われます。この四柱八字を別の言葉で表現すると「命(めい)」です。よく「八字(パルチャ)が良い、悪い」と言うのは、この八つの文字が良いか悪いかを指しているのです。

 

この八つの文字は、生まれる時に母親の胎内から出て、最初の息を吸った瞬間の生年月日時を基準に与えられると仮定します。自然と個体が呼吸を通じて出会う最初の瞬間の「気」が、その人が一生使う「気」になると考えるのです。では、四柱八字さえ良ければ、人生は順風満帆なのでしょうか。その確率は高いですが、常にそうであるとは限りません。ここでよく使われる比喩が「自動車」です。工場である車は高級セダンとして出荷され、ある車は小さな軽自動車として出荷されます。時には、欠陥があるまま出荷されることもあります。しかし、高級セダンが嵐の中、泥道や砂利道、山道を走るとして、果たしてその車は幸せでしょうか。軽自動車であっても、晴れた日に空いた高速道路を滞りなく走れるなら、果たして不幸せでしょうか。品質に不備があっても、深刻なレベルでなければ適切なリコールで問題を解決できるのではないでしょうか。だからこそ、次に学ぶ「運(うん)」が重要なのです。

 

運:人生の吉凶禍福

 

「運」という言葉は、私たちが普段「運が良い」あるいは「運が悪い」という形で頻繁に口にするものです。しかし、四柱推命における「運」には独自の定義があります。先ほどお話しした自動車が走るための「道路」こそが、まさに運なのです。「命(めい)」という自動車が、「運」という道路を走る全体の姿を見て初めて、その人の「運命(うんめい)」を分析することができます。変わることのない四柱八字の「命」と、変化する「運」を順に呼べば「命運(めいうん)」となりますが、一般的に使われる「運命」と呼んでも差し支えありません。

 

では、運が「道路」であるという概念は分かりましたが、具体的に分析する際には何を見ればよいのでしょうか。例えば、ある年が「壬寅(みずのえとら)」の年であれば、四柱八字の「命」は壬寅という道路を走っていると解釈します。ある時点というのは年だけでなく、月・日・時間まで含まれます。先ほどの例で言えば、「丙午(ひのえうま)年、辛卯(かのとうさぎ)月、壬午(みずのえうま)日、戊申(つちのえさる)時」の命を持つ人が、2036年である「丙辰(ひのえたつ)」年の時点では、丙辰という道路を走っていることになります。

 

それでは、万年暦(まんねんれき)に記された「大運(だいうん)」とは何を意味するのでしょうか。多くの人が「大当たりの運(幸運)」ではないかと尋ねますが、そうではなく「10年単位の運」を指します。1年の運よりも大きなカテゴリーの運という意味です。これは良い場合もあれば、悪い場合もあります。1年単位の運は「歳運(さいうん)」と呼びます。大運は10年間走る道路、あるいは道路が位置する地形的な環境を意味し、1年の運はその年に走る道路の状態を意味します。例えば2036年、先ほどの例の主人公は満10歳です。大運表を見ると、9歳から19歳までの10年間は「壬辰(みずのえたつ)」という人生の道路を走ります。2036年であれば、壬辰という大運と丙辰という歳運という環境の中で生きていることになります。大運と歳運の両方を確認してこそ、その人が特定の時期に出会う吉凶禍福を正しく理解できるのです。

 

要約すると、一人の運命を理解する手順は二つの段階で行われます。 第一に、生まれ持った八つの文字である四柱八字を分析し、変わることのないその人だけの特徴や長所・短所を理解します。自動車に例えるなら、出荷時に高級セダンなのか、軽自動車なのか、欠陥はないかを確認することです。 第二に、人生を歩む中で出会う10年単位の環境である「大運」と、毎年訪れる「歳運」が、本人にとって有利か不利かを時期別に分析します。月単位、日単位も大運や歳運と同様に二文字ずつの環境として分析できますが、分析の単位を細かくしすぎないことをお勧めします。非常に運が良い時や悪い時に限って月単位の分析を行うのが良いでしょう。毎日その日の運勢を計算していたら、あまりに疲れてしまうからです。もちろん、選択は個人の自由です。

 

生まれ持った四柱八字である「命」は、誕生した瞬間の生年月日時ですでに決まっていることが分かりました。では「運」はどうでしょうか。10年単位の大運もすでに表に計算されており、毎年の干支も決まっているのなら、運転手の思い通りに道路を選択することはできないのでしょうか。この点については専門家の間でも意見が分かれています。「運命論者」は、私たちは運転手ではなく自動車そのものであり、見えない運転手によってプログラムされた通りに走行しているだけだと主張します。「意志論者」は、人間には自由意志があり道路を選択できると主張します。「中道論者」は、大きな流れは変えられないが、嵐の激しい日に漁に出ないという漁師の選択程度のことはできると言います。皆さんはどのようにお考えでしょうか。

 

次回の記事では、「命」と「運」を分析するために必要な基礎理論をご紹介します。その第一歩として、まずは「十干十二支(じっかんじゅうにし)」から始めていきましょう。

 

四柱推命の理論的背景:陰陽五行論

四柱推命は単なる暗記ではなく、問題の解き方を学ぶ科目です。一種の「数学」だと考えると分かりやすいでしょう。「解の公式」を当てはめれば簡単な方程式は解けますが、難しい微積分は公式だけでは解けません。そのため、単に理論を覚えるのではなく、その理論が登場した背景を理解する必要があります。 しかし、多くの学生は背景を十分に理解しないまま、まず公式から暗記しようとします。不勉強でない学生でも、問題のパターンを丸暗記して、試験の時に以前解いた問題を思い出そうとします。理論の本質を知らずに公式と問題型だけを暗記した学生は、当然ながら「キラー問題(難問)」には太刀打ちできません。 四柱推命の解釈も同様です。いくつかの理論を暗記した後、解釈の難しい命式に直면すると「解き方が見えない」と混乱します。しかし、理論の背景を十分に理解していれば難しくありません。理論とは、頻繁に登場する現象を一般化したものです。核心となる論理を正確に理解すれば、複雑な事例に出会っても、本質に集中して答えを見つけ出すことができます。

 

陰陽五行の理論的背景

最初の理論である陰陽五行(いんようごぎょう)も、暗記するのではなく背景を理解すべきです。陰陽の理論は身近なところにあふれています。太陽と月、南極と北極、陽極と陰極、男と女、暑さと寒さなど、世の中の概念は相反する二つの要素で存在します。 五行も直感的に理解できます。一週間の始まりである日曜日と月曜日は太陽と月なので「陽」と「陰」です。残りの火・水・木・金・土曜日は、それぞれ火、水、木、金(金属)、土(土壌)の五つの要素、すなわち「五行」です。

 

陰陽五行論は一つの理論であると同時に、他の理論を作るための「仮説」であり「前提」でもあります。ある理論の誕生には先行理論があり、その最前線には理論を導き出した仮説があります。仮説は実証が難しく、論理的な説明のみが可能です。例えば、当時の技術では実証できなかった宇宙に関する仮説が、多くの現象を説明できるために前提として受け入れられるのと同じです。四柱推命において「生まれた時間によって運命(命)が決まる」というのも、主要な仮説として受け入れればよいのです。

 

五行の相生(そうせい)と相克(そうこく)

自然界の生命はから始まります。水は生命()を育みます。木は薪となってを生みます。火は冷たい土を温め、種を植えて木が育つ基盤()を作ります。土が固まれば岩()となり、岩場からは再び水()が湧き出て川や海となります。これが五行の相生(水→木→火→土→金→水)という循環構造です。

一方で、相克という対立関係も存在します。水は火を消し(水克火)、火は金属を溶かし(火克金)、金属(斧など)は木を切り(金克木)、木は土に根を張って養分を奪い(木克土)、土は堤防となって水の流れを止めます(土克水)。

五行の相生と相克

 

五行の性質、職種、健康

  • 【水(みず)】柔軟・聡明 ... 水は柔軟で知恵の象徴です。正しい水の気運を持つ人は聡明で、知識産業や流通業で成功します。健康面では泌尿器、生殖器を司り、水の停滞は腫瘍(水ぶくれや癌)を意味することもあります。

  • 【木(き)】仁愛・リーダーシップ ... 五行の五つの中から唯一の「生命」であり、慈愛の心を象徴します。適度にあれば仁徳がありますが、過剰だと頑固になります。教育、医療業に向いています。健康面では脳や神経系、肝臓を司ります。

  • 【火(ひ)】情熱・礼儀 ... 万物を照らし、悪を焼き尽くします。礼儀正しく、エネルギーを放出するため、講師、マスコミ、美容、芸能、化学分野に適しています。火の不調は、火病、うつ病、パニック障害などの精神疾患や、心臓・小腸の病気に影響します。

  • 【土(つち)】信用・包容力 ... 生命の土台であり、信頼と包容力を象徴します。不動産、農業、飲食・宿泊業、仲介業、さらにはネット上のプラットフォーム(商取引の場)も土の領域です。健康面では、消化器系(胃、脾臓、膵臓)に関連します。

  • 【金(かね)】義理・剛毅 ... 硬固さの象徴で、義理と信頼を意味します。強すぎると「頑固すぎて変化についていけず、結果的に裏切り者に見える」というアイロニー(逆説)を生みます。職種は貴金属、鉄鋼、機械。健康面では肺、大腸、肛門を司ります。

五行別の特徴要約

 

陰陽五行と言いながら、ここでは主に五行について説明しました。全ての要素が陰陽に分かれるならば、五行も当然分かれるべきです。これが次に学ぶ十干十二支(じっかんじゅうにし)です。例えば「木」は、陽の木である「甲(きのえ)」と、陰の木である「乙(きのと)」に分かれます。これからの記事では、五行に陰陽を掛け合わせた、本当の意味での「陰陽五行」についてご紹介します。