出所後、随分と周囲の目を気にして
芸能人のように帽子やマスクを多用していたが
本人が思っているほど誰も意識はしていない
強盗や傷害、性犯罪のように
被害者を傷つけたわけではないから
世間は忘れているというより
関心自体ないのだろうか
「前科者」の烙印を秘めているのは
案外、本人だけかもしれない
個人情報は、誰にもわからない
刑務所のルールが染み付いた自分が
自然に前を歩く人と
歩幅を合わせたり、整列したりして
いるのに気がつき苦笑することもある
最近では、それらの意識も薄れてきた
刑務所で〝犯罪者?〝と日常で
接していた関係で街を歩いている
〝それらしい人〝に対して
免疫ができたのか
強面の輩に対して全く動じなくなっている
人の噂も…とはいうが
最近では、以前と変わらない生活だ
少しの罪悪感と付き合いながら
生きていく今日この頃だ