刑務所は、更生を促す場所ではあるが
なかなか、それぞれの受刑者が
真から反省することは容易ではない

神崎は この世界を過ごしてきて

『人を変える事は 難しい、しかし
    自分を変える事は できる』
そう実感した

全ては、自己責任なのである
此処に入るようになったのも
此処から出て社会復帰するのも
全ては、自己責任でしかない

施設やシステムでは 人を変えるには
限界がある

刑務所にいるということは
寂しく、虚しく、侘しく、惨めなことだ
精神的にも肉体的にも我慢と忍耐だ

進化できなくても 少しの変化は必要だ
何も変わらなければ無駄になる

しかし、本当に
人を変えるのは 容易なことではない
神崎から見える景色は
ほとんどの受刑者が〝変わらない〟という
現実だ

懸命に変わろうとする者もいるが
ほんの一握りの彼らは苦労する
変わらない人間にまみれて
変わろうとする人間は少しも気を抜けない

生まれつき悪人はいないが
悪者に変わってしまった人間がいる
理由は様々だが 自己責任である

「学歴さえあれば…」
「家が貧乏でなければ…」
「◯◯でなければ…」
こんなことが悪者になる理由にならない

自分を変える事ができるのは
自分だけだ

失敗は必ず 挽回できる

一生懸命、己を変えようとして
釈放をむかえる 同輩にエールを送る

つづく