精神疾患、障害の受刑者の多くは
総合失調症である
一般の刑務所でも受刑するが 重度の場合
この医療刑務所に移されている

他には
中毒精神病や広汎性発達障害などもある
器質性脳障害、てんかん、認知症も
疾患受刑者に含まれる

神崎も聴き耳を立てているわけではないが
日常の刑務官や医師の会話などで
〝自然〟と学習していた

時々 専門書を読みふけることもある
随分〝この分野〟に詳しくなった

社会では 一括りに
『精神異常者の犯罪』と扱うが
中身は とても複雑である
軽い〝気分障害〟などでも事件を犯してしまう
障害や疾患は 様々なのである

自分をコントロールできないから
殺人や強盗になってしまう場合も少なくない

神崎は この日常の記録も含め
ノート三冊分 レポートをまとめている
〝仕事柄〟記憶と記録を大切にする

神崎は 好奇心からではなく 最近になって何か 
使命感のようなものを感じるようになっていた

(俺が 此処に送られたのは 何か意味がある)
神崎は改めてそう感じていた

つづく