此処には、様々な受刑者が収容されている
世間で騒がれた 凶悪?犯罪者もいる

神崎自身も記憶がある犯罪者がいる
1239番の異星人だ
出所後 すぐに幼児を殺害した殺人犯だ
当時は、連日 報道されていて
判決は懲役二十年以上だったはずだ

総合失調症で幻覚、幻聴があったと
弁護側が無罪を主張していたから
その印象が強かった

初めて それに気づいた神崎は
(こんなところで服役していたのか)
と驚いた
番号で管理はされているが、皆、実名だ

そんな彼らは 異星人にしかみえない
異常であるとか障害であるとかではなく
異星人なのだ

普段でも不気味な雰囲気を醸し出す
犯罪自体が異常なのも頷ける

こんな異星人でもあと10年ほどで
満期釈放をむかえる

異星人には、神崎自身も配食時に
箸で 手を刺されそうになったことがある
事前に注意を聞いていたので
かわすことができたが、危ないところだった

彼も定期的に暴れ、保護室に入る
普段は、温順しく室内作業をしている
しかし、眼だけは異常な光をもっている

世間では、彼のような犯罪者が出ると
育った環境や社会環境を問題とする
しかし、日本の法律では 犯罪後ではないと
彼らを拘束することはできない
彼らを管理することも容易ではない

ここで、管理していることすら
大変な労力が必要だ

医療刑務所の存在意義
医療刑務所の存在価値

神崎は改めて考えてしまう

つづく