此処での新入教育のメニューは
基本的には障害受刑者も経理受刑者も
ほぼ同じだ

初日は簡単な筆記テスト…
一応 国語、数学、英語、科学などがある
大卒の神崎には ほぼ全問正解できる内容だ
座学は それ以外に各種手続きの説明と
刑務所での心得のようなものだ

あとは行進の練習が延々と続く

教官である警備隊は 厳しく指導するが
他の刑務所を経験したものによると
随分、甘く感じるらしい

この新入教育を障害受刑者は 一週間
経理受刑者は 二週間受ける

その後 配役先が決まって
殆どの場合、居室は共同部屋になる

刑務所は人間関係が全てだ
下手に嘘をつくと世界が狭い分
すぐに それがバレてしまい
いきなり総スカンを食らう

特にピンク(強姦や猥褻など)の服役の者が
傷害や薬物などと誤魔化し気味にするが
ピンクは 刑が長めの為だいだいバレる
分類センターを通ってくるから
すぐわかるのだ

いずれにしろ 最初が肝心だ
神崎はあまり関心が無いが
皆、他人のことはとても気になる世界だ

刑務所では糖分不足だが
『他人(ひと)の不幸は蜜の味』
というくらい 他人の話はおやつ代わりに
盛り上がる

最近の刑務所は
腕力より 話力というところだろうか

つづく