刑務所では、真面目に務めれば
何ヶ月かの仮釈放がもらえる

一日も早く社会に戻りたい人は
どんな苦難にも耐える

神崎もそう考えて頑張っているが
彼は、裁判で徹底して無罪を主張した為
先輩受刑者から仮釈放は諦めた方がよいと
いわれていた

日本の裁判は起訴された時点で
99.9%有罪だと言われている
検察の求刑に対して
裁判官は事務的とも解釈されるくらい
8掛け程度で判決を出す
ほぼ最初から流れが決まっている

さらに検察の取り調べ時から
否認しようものなら
延々と公判を長引かされる
彼らには真実など必要がない
冤罪などという考え方もない

本当に無罪でも 弁護士のドラマに
観られるような判決が覆されることはない
表に出ない冤罪は少なくないだろう

神崎もここにきてから、同じ境遇の人間が
少なくないことに驚きを感じた

司法が求めているのは 決して真実ではない!
いつもこのことに憤りを感じながらも
今日もせっせと汚物処理に励んでいる

つづく