まず、AIロボットの開発や設計、制作に携わりたい場合は、ロボティクスを少しでも学ぶことが重要です。

ロボティクスとは、「ロボットテクノロジー(RT)」や「ロボット工学」と言われ、ロボットの設計・製作・制御を学ぶロボット工学の一つの学問です。
社会に役立つロボットを製作するために、機械工学・電気電子工学・情報工学といったさまざまな工学の知識を総合的に活用して研究開発を行います。
しかし、ロボットに関わる仕事は、その研究開発や製造だけではありません。

ギヤードブラシレス DC モーター


ここではロボット工学で学んだ先にはどのような仕事があるのか紹介していきます。

産業用ロボットオペレーター
産業用ロボットオペレーターとは動作プログラムをつくり、産業用ロボットに目的の動作を教えるティーチングを行う人のことです。
このティーチングを行うためには基本的に資格をとることが法律によって義務付けられています。

産業用ロボットは生産性を高め、格段に作業効率をあげることで人件費削減や高品質な製品製造に役立っていますが、出力の高いロボットは操作や扱いに誤りがあると大きな事故につながる恐れがあります。
そのため、安心安全に事故や問題のリスクを低減させるために資格が必須です。
基本的にと言いましたが、出力が80W以下の産業ロボットに限り、事故のリスクが低くなるため資格を取得せずに運用が可能になります。

このティーチングに必須な資格とは労働安全衛生法が定めた「特別教育(産業用ロボットの教示等の業務に係る特別教育)」を受けることで取得できます。
特別教育にはロボットに対して位置やスピードなどの動作を記憶させる「教示」とロボットのメンテナンスを行う「検査」の2種類があります。

産業用ロボットオペレーターは、人ではできなかった作業を、ロボットに行わせることができ、作業効率の向上や人件費削減が実現できます。

産業現場での人手が今後も減っていくこと、また特に海外の成長国でのニーズが高まっていくことが予想され、その点でまずは国内の現場で経験を積み、さらに海外に活躍の場を拡げて行くことが考えられます。

また産業用ロボットだけではなく、今後さらにより広い分野でロボットが様々に導入され活用されていくことを考えると、そうしたロボットのオペレーター人材の必要も拡がっていくでしょう。

例えば、災害の現場で人命を助けるレスキューロボット、病院や介護施設などで人を助ける医療・福祉ロボット、土木建設や農林水産業などで活用されるロボット、都市や地方の交通を将来的に支えると考えられる自動運転ロボット、など、様々な分野で活躍するロボットに、それぞれオペレーターが必要です。
近年広く活用されているドローンの操縦オペーレーターは、その特徴的な一つと言えるでしょう。

防水クローズドループステッピングモーター


ロボット開発エンジニア
ロボット開発エンジニアとは、ロボットの開発と設計を行うエンジニアのことです。

ロボットの開発は、ロボットの感覚にあたる「センサー」、ロボットの頭脳にあたる「知能・制御」、ロボットの動作にあたる「駆動」の大きく3つに分けられて進められます。
これらの要素技術のそれぞれに専門性が求められ、研究者やエンジニアとなっていく上では、ロボット全体を理解するとどもに、その中で特に自分は何を専門とするのかを意識して追究していく必要があると考えられます。

似ている職種として、全く新しいロボットを開発・設計する「ロボットクリエーター」、ロボットの外観などデザインを考えていく「ロボットデザイナー」が挙げられます。プログラミングやメンテナンスまでトータルに関わるのがロボット開発エンジニアですが、これらのクリエーターやデザイナーはそうしたエンジニア全体の能力に加えて、独自のデザインセンスや創造性を持ち合わせた人を指すことが多いです。

さまざまなタイプのロボットを生み出し、人々の生活を豊かにしていく仕事です。
想像力や技術力に加え、これからの時代、常に最新の技術・情報を得るためにも、またロボット業界で世界に飛び出していくためにも語学力、コミュニケーション力も必要ですよ。

AIエンジニア
AIに関する知識に長けており、機械学習やディープラーニングといった技術を使ってさまざまなAIを世に生み出す仕事です。

AIエンジニアになるためには、IoTの知識をはじめ、データ解析をし、AIを構築したり修正したりする上でもプログラミングスキルなど専門的な知識が必須となります。
特にPython(パイソン)は多くのAI開発に使用されている言語で、まず習得しておいた方が良いでしょう。Pythonを基本として、他のプログラミング言語を応用して習得していくこともできます。

これからますます発展していくAI業界は、AIエンジニアが不足しているといわれており、日本だけでなく世界中で求められています。

ロボットシステムインテグレーター(Sler)
ロボットシステムインテグレーターとは、ロボットSler(エスアイアー)とも言われ、ロボットを導入したい工場や企業と、ロボットメーカーの間に立って、ロボット導入をサポートする専門業者です。

エスアイアーになるために必須な資格はありませんが、SIer協会の目指すSI人材育成のためSI検定(2020年より)が開設されました。ロボットシステムインテグレーション(ロボットSI)を行う上で必要な知識の習得レベル・技術の修熱レベルを測定するための検定試験です。

エスアイアーは、既存・市販のロボットを導入、活用して目的(課題解決 )を果たすことができる人材で、企業側の課題を分析し、どのようにロボットをシステム化すれば一番効率よく運用できるかということを考える仕事です。
プログラミングや組み立て、アフターケアまで幅広く対応します。

産業の現場で用いられるロボットシステムについて幅広く知り、また導入される現場のニーズを的確に把握・理解し、ロボットや関連機器を適切に導入・配置して課題解決に導くのが仕事となります。

これまでは産業用ロボットに長年関わった人が、セカンドキャリア的になる例が多かったのです。しかし、最新の機器類に興味を持ち、また現場の問題解決に積極的に取り組めれば、経験の少なさに関わらず取り組める新たなニーズをもった分野はまだこれから多く出てくるので、これからの若い人にぜひ考えてもらいたい領域です。

特に、これまで狭義でのエスアイアーは製造業現場でのロボット導入でした。しかし最近では、工業製品よりも食品産業などこれまで人手に頼ることが多かった現場や、土木・建設、農業・林業、交通など、労働人口減少・高齢化の影響を強く受けている分野でのエスアイアーが今まさに希求されているところです。

データサイエンティスト
企業にはたくさんのデータが集まってきますが、そのデータを整理・分析し、活用できる人は多くありません。
そこでデータサイエンティストは膨大なデータを有効活用し、企業がもつ事業戦略に役立てることができます。

データサイエンティストになるためには、まずは統計学やビッグデータ、データベースに関する知識が必要になります。
その他にも、情報工学やAIエンジニアのようにプログラミングの知識、ビジネスやトレンドなど幅広い知識、そしてマネジメントスキルまでも身につけておくことが求められています。

また、データサイエンティストに似た職業でデータアナリストがあります。
データアナリストの方が、データそのものの収集や分析を中心として取り組む意味に対し、データサイエンティストと言うと、それらのデータの生み出される背景を推測したり、データの活用を行い、社会やビジネスにおける問題の解決や、経営戦略などにつなげる意味合いが強いと思われます。
どちらを選ぶかは、皆さんの好み次第とも思われます。

ロボットについて、このようなデータサイエンスにどのように関わるかですが、最近のロボットでは、例えば環境認識センサとして良く用いられるLiDAR(レーザ式測域センサ、周囲に照射したレーザで周辺環境との距離を測り、3次元的な位置関係を計測するセンサシステム)で測られるPointCloud(ポイントクラウド)と呼ばれる点群データは3次元位置データの塊です。数千〜数千万の点群データを効率的に処理し、そこから物の形状、さらにはそこからそれが人なのか車なのか、建物なのか、を理解するAIを構築し、それに基づきロボットを動かします。

このように、最新のロボティクスでは、データサイエンスが必須です。
これから、ロボットを特に専門とした、データアナリスト、データサイエンティストが必要とされてくることは確実と考えられます。
-----------------------------------------
skysmotor.comは防水ステッピングモータBLDCモーターなどを販売している専門的なオンラインサプライヤーです。お客様に競争力のある価格、または効率的なサービスを提供しております。